❻❾ 優しい二人
「今日は戻ってくんの早くね! どんな呼び出し食らってきたんだよ?」
席に座るなり、隣の席に座る一輝が声を掛けてきた。
「えへへ、スカートのことでちょっと……」
「ほら、やっぱり駄目だったじゃんか」
スカート丈を短くして、可愛くなりたいし、洒落を沢山したくなるお年頃である。
男の時は、女子はスカート丈を短くして、パンツが見えそうで見えないことで男を惹きつけようとしてるんじゃないかって思ってたけど、其れは全然違う。
偏差値63の学校なのに、丈を短くしてる子が多く、友達の真似をして更に短くしてる私はどうかと思うかもしれないけど、一応ギリギリ見えてない筈なのだ。
其れに、雪の可愛いさは、化粧も始めたおかげで、更に増してるに違いないと確信がもてていたので、スカートの丈長くする訳にはいかない。
階段を歩く時は、スカートを押さえるようにして注意して歩けば絶対大丈夫なのに、校則で取り締まる必要があるのは、一体何の問題があるというのだろうか。
長くする事で、ダサいキャラになる事を、先生は全く理解していない! 男子生徒だって、今のままの方が全然良いに決まってる。
(でも、一輝は何で嫌なんだろう!?)
「あのね、明日のテストで全教科平均点取れば、このままで良いって言われたんだよ」
「点数良ければそのままでも良いのなら、校則関係無いじゃんかよ!!」
「ねえ、何で一輝は嫌なの!?」
「し、心配だからだろ!」
「えへへ、ありがとう! 一輝って何か保護者見たいだね」
「オイオイ、俺は雪の保護者……かよ!」
(其れよりも、俺は雪の彼氏希望なんだけど……)
「えへへ」
二人で話していると、呼んでもないのに大誠がやってきた。
「お前ら仲が良すぎるだろ! ズルいよ!」
「えへへ、大誠ごめんね」
(雪に謝られた……ちくしょう許せるな……)
「俺聞いてたぞ、スカート短くしてたら駄目らしいじゃん。短い方が断然俺は可愛いと思ってるぞ……」
「そうか、お前は変態だからな!」
「こら、一輝、言っとくけど俺は変態じゃないから……」
「はいはい……変態っと!」
「まぁいいよ! で、今日の放課後一緒に勉強するか!?」
「……」
黙ったまま、答えずにいると、雪の顔を下から大誠が覗き込む。
「雪どうした? 具合でも悪くなったか?」
「えっ、あ、ごめんね。本当は、一輝と大誠、美優ちゃんと勉強しようって思ってただけど、さっき由美ちゃんに一緒に勉強しよう頑張ろうって言われたから、一緒に勉強できないんだよね」
「女子同士で勉強してくるなら頑張って来いよ! 別に俺たちとしなくたって良いじゃんか。てっきり、具体調悪くしたのかと思って、心配しちまったぜ」
「えへへ、大誠ありがとう」
「良かった! 俺も雪が具合悪くなったかと思ったじゃんか。じゃぁ雪は友達と勉強頑張って来いよ!」
一輝にも頑張って来いって言われて嬉しかった。
今まで、ずっと男三人で過ごしていたのに、自分が女の子になってからは、美優ちゃんと仲良くなり、由美ちゃんと真白ちゃんとも仲良くなって、放課後女の子同士で過ごすことが増えていたから、とても気になっていた……。
「二人共ありがとう! 其れに、何か今日は二人共優しいね」
「よく言うぜ! 俺達が優しいのは何時もの事だろ! な、大誠」
「あぁ、そうだ。俺達はもともと優しいからな」
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