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㊼ 森川先輩に伝える

「雪ちゃんおはよう!」


 美優ちゃんが登校してきた。


「あ、来た来た! 美優ちゃんおはよう。今日は学校来るの遅くない?」


「あーっ、寝坊しちゃったんだよね! 今日も休みだと思っちゃって……」


 以外にも、おっちょこちょいが判明した美優ちゃん……私は流石に其れは無いけど、話を合わせておくことにした。


「あははっ、あるある、休みだって勘違いしちゃうことってあるよね! 最近ずっと一緒に寝てるか……わっわっわっ……」


「え? 寝てる?」


「えへへ、遅くに寝ても、朝は一輝に起こされてるからさ……」


(ふー、ギリギリセーフだよね! バレなかったよね?)


「そっか、雪ちゃんは良いね! 私は誰もおこしてくれないからね!」


(お母さん起こしてくれないんだ……)


「沢山走っちゃったけど、全然余裕で到着したから良かった! 相変わらず大誠君はまだ来てないんだね」


 大誠は遅刻ギリギリにくる男だ! しかも、ギリギリに来る割に、何故か遅刻はしたことが無いという、なかなかの男だ。


「そうそう、美優ちゃんはお手紙書く紙切れとか持ってたりしない?」


「んーまぁ持ってるよ! 雪ちゃん持って無かったんだね。 何かに使うの?」


「実は、皆に内緒なんだけど……」


 美優ちゃんの耳元でそっと話して、森川先輩のことを伝える。


「なるほどです。 それなら手紙書いて渡したら良いですね!」


「やっぱりそうだよね。 でも、私なんて書いたら良いかな……」


「考えなくても大丈夫ですよ! そのまま雪ちゃんの気持ち書けばいいんじゃないですか?」


「そうなんだけどね……恥ずかしくて」


「自信もって下さい! 雪ちゃん可愛いんだから大丈夫です」


(可愛いから大丈夫って……どんな理由?)


 美優ちゃんから用紙を何枚か貰ったので、森川先輩に渡すために自分の気持ちを書いてみた。


 ──森川先輩へ──


 森川先輩からお手紙貰って嬉しかったです。


 先輩のお気持ちはすっごく嬉しかったけど、ごめんなさい、私、先輩とは付き合えません。


 今は他に好きな人がいます。


 その人とは付き合えないんだけど、その人の事が頭にあるので本当にごめんなさい。


  ──雪より──



(こんなんで良いかな?)


 一輝にも、美優ちゃんにも、確認して貰うのは凄く恥ずかしいので、書いたあとそっと折って、スカートのポケットの中に押し込んだ。


 ちょっと私、三年生の教室に渡してくるね。


「雪ちゃん大丈夫? 一緒に行ってあげようか?」


「ん、大丈夫……美優ちゃんありがとうね」


「ちょっと本当に大丈夫? 近くまで行くよ」


「うん……やっぱりお願いしようかな……」


 凄く緊張してきたので、美優ちゃんに一緒に来てもらうことにした。


 三年生の森川先輩がいる教室の前に着くと、美優ちゃんは教室から離れたところで待っていてくている。


 それを確認すると、そっと後ろのドアから教室を覗くと、すぐに森川先輩が私に気付いて、私の所に来てくれた。


「あ、あのおはようございます。これ……」


「おう、ありがとう」


 森川先輩は受け取るとすぐに開いて中身を読んだ。


(恥ずかしいのに……)


「そっか、他にいるんだな! わざわざ返事サンキュー」


 そう言うと、先輩はニコッと笑って教室に戻って行ったので、私も先輩にお辞儀をすると、美優ちゃんの所へ戻り、一緒に教室に戻った。


「大丈夫だった?」


「うん、大丈夫だったよ。美優ちゃんありがとう」


 何も怖いことなんて無かった。






















読んで頂きありがとうございます

╰(*´︶`*)╯♡

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