㊸ パンケーキ屋さん
駅に着き、二人はホームで電車が来るのを待った。時折、駅を利用する男性陣が、俺達の前を歩く時、雪の下半身をチラ見しながら通り過ぎる過ぎて行くのが分かった。
振り返って雪を見ると、その事を分かっていないようだった。
(まぁいっか、俺が隣にいるんだしね)
自然と、一輝も雪のスカートから出る太ももを眺めていた……。
(おっと、やばいやばい!)
「え、一輝さっきから私の事みてるよね? どうかした?」
(おいおい、俺が見てることには気付くのかよ!)
「嫌……何でもないよ」
「そっか!」
微笑んだ雪はとても可愛い。
(やっぱり美人すぎるよな! 俺達カップルに見えてんのかな?)
「ねぇ一輝、私達わざわざお店にパンケーキ食べに行くのなんて初めてだね」
「そうだな! 男じゃ行く機会なんて無いからね。こればっかりは、雪のおかげというか、何と言うか……でも、ちょっと緊張するな!」
学校の一駅手前の駅で電車を降りると、駅の南口より徒歩二分の所にある、焼きたてふわふわのパンケーキ屋さんに向かって二人は歩いていく。
雪の方から人目を気にすることなく、手を繋いできたので、一輝もその手をそっと握り締めた。
「えへへ」
「なんだよ?」
「何でもないよ!」
雪は嬉しそうだ。表情から丸わかりだった。
お店が駅から二分の所にあるはずが、ちょっと分かりにくいように感じたけど、このビルの二階に入っているようだ。
「雪、お店ここらしいぞ!」
「もっとわかりやすく大きな看板にしてくれたら良いのにね、私わかんなかったよ」
「そうだな! 何で看板小さいんだろうな」
入口は正面のエスカレーターから入るらしい。
「えへへ、早く行こうよ」
「おう、そうだな!」
ちょうどその時、目の前を、女子三人組が通り過ぎて行くのを見て、一輝はちょっと恥ずかしくなった。
「大丈夫だって! 早く行こう」
「おう……」
ちょっと恥ずかしい気持ちがあったけど、お店の入口の前に行くと、カップルも並んでいる。
(あ、良かった! 女ばっかの所って緊張するからな……)
この日はお店に到着したのがお昼を過ぎてからだったからか、前から三番目だった事もあり、タイミング良くギリギリ並ばずに入る事が出来た。
「私達並ばないで済むなんてラッキーじゃん ! 遅く来て良かったね」
「そうだな! のんびり来て正解だったな」
「でも見てみて、私達の後ろもう何組か並んでるよ!」
店に入る前に後ろを振り向くと、自分達の後ろはもう既に並んで列が出来ている。
「本当にここのお店人気なんだな! 後ろに並んでたなんて全く気付かなかったよ」
お店に入ると、窓側にある席に案内された。
店内は可愛らしい内装だったが、奥の席に案内されたからか、落ち着ける。
「ご注文をどうぞ!」
「この、濃厚チーズとストロベリージャムのパンケーキ二つと、アイスカフェオレ二つと、サンドイッチ二つで……」
お昼を食べてこなかっかので、サンドイッチも注文した。
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