㊶ 許せてしまった
許せてしまった部屋に戻ると、雪が一輝のベッドで横になり、胸元にある手に漫画本が握りしめられたまま、寝息を立てて寝ている。
いつの間に寝てしまったのだろうか? 風呂行く時は眠そうな顔なんて全くして無かったけど……。
そっと近寄り、真上から雪の顔をのぞきこんでみると、びっくりしたのだろう、雪が目覚めて、飛び起きた!
「わっ!」
「良かった起きた! お目覚めですね 何で寝ちゃったんだよ……てっきり起きないかと思ったぜ」
「一輝のバカ、もう少し寝てたたかったのに、何で起こすのよ! 」
女の子座りわした雪が、俺の目を見て子供みたくふてくされている。
その姿が可愛くて、一輝は胸がキュンキュンしてしまった。男だったら、絶対誰でも彼女にキュンキュンしてしまうに違いない!
可愛くて、美人で性格も良く、料理や洗濯……母さんがいない時は、何故か俺がやらされてた家事だって、今は進んで頑張ってやってくれる。
そんな雪が、元男だったなんて知ったら、皆びっくりすることだろう。
(怒ってる雪も可愛いな! もっと見ていたくなる……)
「ごめん、ごめん、でも、お風呂入んないと気持ち悪いだろ! 先に寝ないで待っててやるから早く入ってきなよ」
「……う……」
「明日はパンケーキ食べに行くんじゃなかったのかよ」
「うん、いくいく! 絶対一緒に行く」
「じゃぁ、雪のこと待ってるからね」
「うん」
にっこり微笑むと、雪は急いで部屋のドアから出て行った。
✩
「さっぱりした! お風呂気持ち良かった! 私歯も磨いてきちゃった。一輝は?」
雪がそう言いながら風呂から戻ってくると、当たり前かのように一輝のベッドに潜り込んだ。
「雪……」
「一輝なあに?」
「え、今日も一緒に寝るのかよ?」
「えへへ、いいじゃん、独りだと何でか寂しいんだもん。私ね、最近夜になると不安でたまらなくなるんだよね。でも、昨日一輝と一緒に寝たら安心できたの。ありがとう」
そう言って微笑んだ後、すやすや寝息を立てて寝始めた。
不安だと言っていたけれど、こんなに可愛い寝姿を見せられたら、誰だって幸せな気分になってしまう。
一輝は雪が隣で寝ることを許せてしまった。
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