3️⃣7️⃣ 土曜日
リビングに行くと、朝早くから母さんは実家の婆ちゃん宅に出掛けていなかった。 そういえば、一週間ほど前から、婆ちゃんを病院に連れていく用事があるって言ってたのを思い出した。
「雪、今日は母さんいない日だって! 婆ちゃん宅に出掛けてるみたいだね」
「うん、知ってるよ」
「え、知ってたのかよ!」
「えへへ……」
「雪、ご飯炊けてるから、何か適当にあるもんでご飯食べようよ! お腹空いた」
「じゃぁ、今日は特別に私がベーコンエッグ作ってあげるから楽しみに待っててね」
冷蔵庫の中から、ベーコンと卵を見つけた雪が、今まで一切料理なんてしたことないのに、作ると言って、張り切って作ってくれた。
「めちゃくちゃ焦げちゃった!」
そう言って、雪が照れながら出してくれたベーコンエッグは、焦げてたけどすっげー美味しかった
「私、お皿も洗うからね!」
今までは、食器だって洗うこともなかったのに、食べた後の片付けもしてくれた。
「雪ありがとう!」
いつも、母さんがいない日は、一輝に押し付けてやらせてばかりだったのに、鼻歌交じりでやってくれる。
「せっかくだから、私洗濯物もやっちゃおうかな……」
そう言うと、二人分の洗濯物を洗濯機に放り込み、洗剤を入れてボタンを押した。
「……うそだろ? 何時も兄貴の時は全く何もしなかったくせに、洗濯もしようだなんて」
「そんなに驚くことないじゃない! 洗濯が終わったら一輝も手伝いなさいよ!」
「うん……其れにしても、前は全く何もしなかったからさ、今は雪のこと感心しちゃうよ」
洗濯が終わるまでの間、雪は珈琲マシーンで珈琲を入れてくれた。
「はい、アイスコーヒーにしちゃったんだけど、どうぞ」
「おう、ありがとう」
まだ朝は冷えるから、出来ればホットが良かったけど、沢山氷の入ったアイスコーヒーを手渡された。
「身体が冷えるけど美味しい、ありがとう!」
「あ、ホットが良かった? ごめん」
舌をペロッとだして謝る姿が可愛い。
二階へ行って洗濯物を干すのを一緒にした後、一輝は今日出掛けることを雪に伝えた。
「そういえば、今日はこれから出掛けて来るんだった!」
「え、何しに行くの? 雪寂しいなぁ……」
「単発のバイトだよ! ちょっとやってみようかと思ってさ、昨夜雪が相談来る前に、予定入れたんだよ」
「へーそうだったんだ! 一輝って何か欲しい物でもあるの?」
「うん、まあね! 俺のゲーム遊んでていいから、雪はちゃんと留守番してろよ」
「うん、わかった」
一輝は支度が終わると、出掛けていった。
読んで頂きありがとうございます。




