3️⃣2️⃣ 好きで仕方が無いのに
(やばいやばい、私、すっごいモテてるじゃん)
イマイチ自分の身体に慣れず、慣れない女子高生の制服のミニスカートを履いた女の子……雪。
アイドル級に可愛く生まれ変わってから、たった二日目にして、モテモテが発動中!
(こんなにモテるだなんて生まれて初めて、だってこんなに素敵な人生になるなんて思っても見なかったんだもん! やっぱり、可愛いは最強だー!)
五時間目に、しおりも配ってバスの席順を決める事になったけど、只今、私の隣に誰が座るかで、男子達が何やら揉めている!
こんな場面、私が男だった時は一度も遭遇した事がなかった。これもモテモテの力のせいなのだろうか?
男女ペアになって座るんじゃなく、友達同士で座りたかったのに、多数決をしたら、ペアで座る事になってしまったのだ。
あんまり話すこともないグループの男子二人が、私の隣に座りたいからと揉めていだけど、そのうち殴り合いの喧嘩にまで発展してしまっている。凡人にはちょっと考えられない!
(いくらなんでも、これは酷い……)
「俺は雪が好きなんだよ!」
「俺だって雪が好きだから隣が良い!」
突然、大きな声で二人が好きって言い出したから、とても恥ずかしくて、顔が真っ赤になり、雪はこの場から逃げ出したくなった。
その後もずっと続く殴り合い……勇気をだして雪は話した。
「ちょっとお願いがあるの! こんなことで喧嘩は辞めて! 雪の隣は、行きと帰りで交換して乗ったらいいんじゃないかなって思うんだけど……」
せっかくの楽しい交流会だから、最初からこんな感じなのは、見ていて辛かった! 周りも、じゃんけんで決めろオーラが入り、じゃんけんで決めることのなった!
(私は、本当は美優ちゃんと座りたかったのにな……)
側で見ていた一輝は、どういうわけか、腹の奥底で焦りを感じていた。
恋人同士でもない、単なる姉弟だけど、雪が遠くに言っちゃいそうに思えたからだ。
次の時間、一輝は授業に全く集中出来なかった。考え事ばかりしていたからだろう……。
というか、どうして、俺の兄貴が姉ちゃんになってから、雪は皆から好かれてるんだろう?
俺だって、雪が好きで仕方が無いのに! 雪に自分の気持ちをちゃんと話したかったけど、姉弟という壁があって、守ってやるとしか言えないでいる。
いったい俺は何をやっているんだろう!
この感情はいったい何なんだろうか……俺だって雪の隣に座りたいのに。
俺があの場で、なにかしていたら、喧嘩なんか起きなかったんだろうか? 守ると言いながら、雪のこと守ることすら出来ていないなと思った。
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