㉙ 森川光輝先輩
告白された後、雪は一緒に教室に行こうとしたけれど、クラスは同じなのに、気まづいのだろうか? 拓斗は先に走って行ってしまった。
「待ってよ、一緒に行こうよ……」
流石、運動もできるだけあってか、走って行くのが早くて追いつけない!
雪も、拓斗を追いかけるように、廊下を走っていると、階段まで行く途中で森川光輝先輩にぶつかってしまった。
……ドシン……。
「すみませんでした! あの、お、お怪我はありませんか?」
「あぁ、俺は全然大丈夫! 君は?」
「……。」
「ぶつかってしまって、すみませんでした」
雪はす後ろにっ転んで尻もちを着いていた……。
「ほら、手を握ってごらん。立てるかな?」
「あ、はい……すみません……ありがとうございます!」
手を引っ張ってもらい立ち上がった雪は、森川先輩に頭を下げると、先輩の顔も見ずに走り去ってしまった……。
(逃げるように教室に戻って来ちゃったけど、大丈夫だったかな?)
先輩の外見はとても優しそうだけど、学校では、何時も怖いと噂になるほどの、不良グループの仲間とつるんでいるという噂がある。
(森川先輩って怖い先輩なのかな?)
授業中、そんなことばかりぼーっと考え込んでると、二時間目の授業が終わってしまった。
「おーい雪、森川光輝先輩がお前の事呼んでるらしいぞ! 何かしたのか?」
一輝が私のところに教えに来てくれた!
「ええーっと、今朝廊下でぶつかっちゃって……森川先輩には謝ったんだけどなぁ! 他は何にもしてないよ」
「そっか……良くわかんねぇけどさ、とりあえず、先輩のクラスまで来るように言ってたぞ」
「ありがとう、先輩怒ってんのかな?」
「どーする? 俺も一緒に付いて行こうか?」
「えへへ、嬉しいけど……とりあえず一人で行ってくるよ! 私、女の子だし、殴られることは無いと思うから」
休み時間が15分あるので、上の階にある三年生の教室まで行く事にした。
決
(何で私呼び出されてるんだろ! 理由を先に教えてくれたら良いのに!)
一年生は、三年生の教室がある階には行っては行けない決まりがあるので、雪は緊張しながら森川先輩のクラスまで行くと、教室の扉は開いていて、直ぐに森川先輩が私を見つけてくれた。
「来てくれてサンキュー! そうそう、今朝は大丈夫だったか? 今朝は走って行っちゃったから声掛けらんなかったけど、どっか痛いところ無かったか?」
「えへへ……痛いところは無かったです……心配して頂きありがとうございます」
森川先輩は、別に怒ってなんかいなかった。寧ろ、私の事を心配してくれた。
「あ、後……これな! お前雪って言うんだな!」
森川先輩の手から、学生証を手渡された。良く見ると、手帳にノートの切れ端が挟んであるのが分かった!
「あ、気づいたか……後で読んで……じゃまたな!」
そのまま、階段を下りて、トイレに行き中身をそっと確認すると、其れは森川先輩からのラブレターだった!
(みゅう、返事どーしよーかな……)
どうやら、もう雪にはモテモテになる力が発動しているらしい。
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