㉕ 真夜中の一時。
──真夜中の一時。
雪は中々寝れずに、布団の中でダラダラとスマホをいじっていた。
次の日、寝不足になる事が分かっていても、ゲームサイトに、通販サイト、SNS……どうしても寝れない時は、スマホいじりが辞められない。
(全然眠れない! 何でだろう? 一輝はもう寝てるよね……)
話し相手になって欲しかったけど、それはこの時間だともう無理っぽい! 一緒にお風呂に入った時、今日は疲れてるから早く寝るって言っていた。
(そういえば、上原先生の番号を登録して無かった)
雪は、ふと登録していないことを思い出し、教えて貰った番号をスマホに登録すると、不意にメールで、上原先生に、お友達になってくれたことの御礼がしたくなった!
こんなに遅い時間だけどメールなら大丈夫だよね……スマホと睨めっこしながら、文字を入力していく……。
「上原先生が……」あ、違うか、「真希ちゃんが友達になってくれて嬉しかったです」
そうだった、先生が二人きりの時は、真希ちゃんと呼んで良いって言ってくれていたことを思い出した。
その後も、文字を入力すると、びゅーんと送信しすると、安心したのか睡魔が襲ってきて眠りについた。
ところが、次の日朝目が覚めると、送信した内容が思い出せずにいた。文面を考えながら入力したから、きっと変な文章にはなっていないだろう……! そう思って確認するとおかしな事になっていた。
──メール──
昨日は真希ちゃんと、お話しできて、嬉しかったです。私とお友達になってくれてありがとう。困った時は相談しますね。私は女の子になったけど、これから頑張ります。頑張ろうと思います。頑張んないとって思います。
「うはぁっ、何これ……」
読んでいて恥ずかしくなってしまい、穴があったら入りたい気持ちになっていた。
そこへノックもせずに一輝が部屋に入ってきた。
「おはようさん、あれれどーかしたの?」
そう言って私のスマホを覗き込むと、送信したメールの画面を確認中のままだったせいで、読まれてしまった。
「何だよその文章……」
ぷぷぷ! と一輝は笑っている。
「夜に送ったんだけどね、おかしくなっちゃったの……笑わないでよ!」
「おっと、ごめん、ごめん……雪が起きてこないから起こしにきたんだった! 髪の毛セットしたり時間掛かるだろ!」
「そうだったー! 一輝ありがとう!」
先生には、今日学校で会うんだから、そん時に謝れば良いよね……。
もっとのんびりしていたかったけど、呑気にしてられないので、急いで慣れない制服に着替えると、一階に下りて髪をセットする。
トーストを食べると、文句も言わずに小さな可愛い弁当箱を受け取り、一輝と学校へ向かった。
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