1️⃣5️⃣ 雪は気をつけ無いと駄目なんだと知った
一輝が空き教室教室の時計を確認すると、休み時間はそろそろ終わる時間だった。急いで教室に戻らなければいけない。
「雪、急いで教室戻ろうぜ!」
長い廊下を走っていく一輝……その後を雪も着いていくが、ただでさえ、風が入りスースーして違和感があるのに、走るとさらに違和感が増してくる。
(スカートに中々慣れないなぁ……)
中学生の時だって、ずっとスラックスで過ごしてきたんだから、違和感があるのは当たり前なのに、この違和感がとても気持ち悪かった。
教室に到着すると、一番前の入口から2列目に席がある美優は、チャイムが鳴る寸前だからか、もう座っていた。
「美優ちゃん、今日はごめんねぇ!」
雪が近寄り一言謝る。
「あはは、雪ちゃん私も同じだから大丈夫だよぉ! 私もすっかり忘れてたんだもん! だから今日の放課後、残りの作業やろうね。一輝もだよ!」
「おう、やろうぜ! さっさと終わらせような!」
雪の後ろにいた一輝が返事をする。
「うん、分かった!」
雪も返事をすると、一輝と一緒に窓側の一番後ろの席に座った。
何故かこのクラスは男子が一人多くて、男子同士のペアが一組出来る。
たまたま、今回一輝と私がそうだったけれど、もう私は女の子なので、男子で余ることは無くなった……という事になるが、これが得かどうかは分からない……。
歴史の授業が始まる。春のポカポカ陽気のせいか、少し隙間が空いた窓から入ってくる風が心地よく、頭がふわんふわんとしてきて、眠くなってしまった。
周りの子は既に寝てる子ばかりで、永遠と、先生が話しているだけの授業は、子守唄のようで、気付くと寝てしまった。
「おい、雪……雪……見えちゃうぞ……」
一輝の声が耳に聞こえてきた……。
(このまま寝かしといてくれたら良いのに!)
目覚めて一輝の方を振り向くと、一輝が脚を指差している。
下を向くと、股が開いた状態になっていた!
これではパンツが見えちゃう……。
雪は急に顔が暑くなり、真っ赤になるのが自分で分かった!
「ちょっと……見てないわよね!」
つい大声で一輝に怒鳴っててしまった!
「そこ……どうかしましたか?」
先生に質問され、無駄に注目を浴びる……。
……起立して雪は答える……。
「な、何でもありません。特に異常ありません! だから大丈夫です」
静かに着席したけど、クラスメイトがクスクスと笑っている!
(あー、何してんのよ私!)
「雪……ごめんな! 俺、雪の事、他の人に見られたらって思ったら、嫌だったんだよ!」
「一輝……教えてくれてありがとう! 大好きだよぉ……あ・い・し・てる!」
あいしてるの部分だけ小声で伝えた。
「おっ、おう」
一輝が凄く照れている……。私に惚れてんの? 恋人同士になんてなれないのに……。
(其れにしても、やだ、もー 恥ずかしすぎる! 女子って股広げたら駄目なのね……皆どーしてんのよ!)
雪は、これからは気をつけ無いと駄目なんだと知った。
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