第4話 俺実はさ
文化祭まであと3週間。クラスは衣装班、小物班、舞台セット班、告知班、そして俳優班に別れて準備をしていた。
衣装班は制服や登場人物の個性を出すための服装を考え、製作。また、当日のメイク担当をするのでそっちに向けても練習をしている。
小物班と舞台セット班はその名の通り、ドラマで使う小物とセットを製作。
告知班は校内に貼るポスターを製作したり、高校の公式SNSなどで告知をしている。
俳優班は役者で集まり、セリフ合わせをしている。
あるリハーサルの帰り、琉玖は海馬に呼び止められた。
「ごめんお待たせ。で、話って?」
「誰にも言わないでいようと思ってたんだけど、山城だけには言っとこうと思って。秘密に出来る?」
「もちろん。誰にも言わないよ。」
「ありがとう。実はさ、俺──」
「──犬飼柊の弟なんだ。」
「えっ?えええっ!?」
「ごめんびっくりしたよね!今まで黙っててごめん!」
「いやそんなのどうでもいいんだけど!えっ、でも柊くん姉しかいないって、苗字も違うし!!」
「俺、昔から兄貴と比べられてきてさ、俳優になることが夢なんだけど、周りの人間にはすぐ柊の弟だから上手いねとか、誰も俺自身を見てくれなかった。兄貴優しいから、俺自身を認めて貰えるように芸名を作って、俺の存在も隠してるんだよ。」
「そんなことがあったんだ…。待ってなんで私には教えてくれたの?」
「山城は俺自身を認めてくれたから。兄貴と似てるって言いながらも俺にしかない良さを出してくれた。だから教えた。」
「なるほどね。教えてくれてありがと。」
「こちらこそ。じゃあまた明日ね。」
「うん!バイバイ!」
まだ聞きたいことはあるはずなのに帰る海馬を見送ることしか出来なかった。
「あ!そうそう!言い忘れてたことがー!」
「なー!にー!」
「文化祭!兄貴も来るってー!」
「わかったー!」
「兄貴も来るねぇ…兄貴も来る!?柊くんが!?」
(わかったとか言っちゃったけど何もわかってないって!つまり柊くんが来るって事だよね!うわぁ〜どうしよぉぉぉ〜!とりあえず、凪桜に連絡しないと!)
琉玖はスマホを開いた。
「ねぇ!凪桜!やばい!柊くんがうちの文化祭に来」
文字を打ってる途中で気づいた。
(待ってこれ誰にも言っちゃダメじゃん!)
今すぐ誰かに教えたかったがその気持ちをグッと堪え、スマホを閉じた。
文化祭まで残り1週間となった。が、琉玖は学校に来ていない。残り4日となっても、来なかった。
心配になった凪桜は琉玖に連絡した。
凪桜:りくー大丈夫かー
琉玖:ごめん風邪かもおー
凪桜:げっ、それ文化祭来れる?
琉玖:大丈夫明日には行く
凪桜:待ってるぞ♡
その頃、海馬は兄と連絡していた。
迅:兄さーん
柊:どした
迅:兄さんのファンがクラスにいるって言ったじゃん
柊:あぁ例の山城って子?
迅:そうそうそいつが風邪で学校来てなくて
柊:えー大変
迅:せっかく来てくれるのに山城来れなかったらごめんな
柊:まあその子が来れなくても行くよー
柊:可愛い弟を見にね☆
迅:笑笑
迅:ありがとー笑
「山城、来るよな。」
スマホを開いたまま呟いた。




