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007-踏み締める死体の選別。

日間12位に乗ったみたいです。

ありがとうございます。

「さて、次は―――『神星骸』を選ぶ、のか?」


 とりあえず外観に関するキャラメイクを終えたところで、次の項目へと移ると……どうやら、今度は最初に降り立つ『神星骸』を決めるようだった。

 『神星骸』―――それは大陸程のサイズを持ち、夜空に常に浮かび続ける超大型モンスターの死骸……あるいは、それに付随する地表等の総称らしいが、それを決めるとは……どういうことだろうか?


「……なるほど。ようは『生まれ』、『職業』……といったところか」


 いまひとつ要領を掴めず、表示された選択肢や、連なって表示されている細かな説明等を一度ざっと終わりまで眺めてみたところ、どうやらこれは他のゲームでいうところの『職業』を選択する欄なのだと理解することが出来た。

 そして、選ぶことが出来る神星骸は6つ―――牙獣(がじゅう)這獣(しゃじゅう)翼獣(よくじゅう)角獣(かくじゅう)巻甲(かんこう)溶虫(ようちゅう)の6つ―――存在しているようだ。

 選んだ際に参考として表示されるアドバイスを読む限り、どこも特有の星痕(ブレイザー)―――装備に付与できる永続的なエンチャントらしい―――を得られる他、その神星骸から、更に類似した系統の星遺物(ステラファクト)―――ようはボスドロップの装備のようなものだろう―――や、別の星痕を得られる他の神星骸へと移動することが出来るらしい。


「……つまり神星骸は、プレイヤーが活動する街……あるいは冒険するダンジョンでもありながら、同時にスキルツリーのような役割も持つ……のか」


 つまりは、例えば『牙獣の神星骸』を選んだ際は、書いてある通り最初は【突撃】(チャージ)の星痕を結果的に得られ、その後は『牙獣の神星骸』から続く次の神星骸(きっといくつかから選べるのだろう)へと移っていくことになり、刃物を用いた近接攻撃主体のプレイスタイルを極めていくことになるわけだ。


「牙獣は戦士、這獣は盗賊、翼獣は弓兵、巻甲は魔法使い……角獣と溶虫はよく分からないが、溶虫は狂戦士……デメリット持ちアタッカー、角獣は……重量装備に適性のある、重装兵……といったところか?」


 それぞれに一般的なゲームにおけるジョブを当てはめつつ、どれにするべきか少しばかり考えてみる。

 とはいえ、どうにもひとつ前の神星骸にも自由に戻れるらしいし、そこから今回選ばなかった他の初期神星骸へと移動することもできるようなので、軽くインスピレーションで決めてしまって構わないのだろう。


「角獣にしてみるか。飛んだり跳ねたり、騒がしいのは苦手だしな」


 ……どうしてもマニアクスというものが悉くプレイヤーに自我を抹消することを強いてくるものである関係上、都度都度ゲームごとクリアに向け自分を作り変えているので、特にこれといって確立したプレイスタイルが俺には存在しない。

 だが、この『天骸のエストレア』というゲームが『神ゲー』であり、俺の我が儘を聞き入れるだけの度量があるというのならば、俺は『回避』や『見切り』といったものを積極的に用いたくない性分であることを受け入れて欲しかったので、『角獣の神星骸』を選択することにした。

 ……いや、別にできないわけではない。

 ものによっては敵の攻撃全てを気合で捌き切るしかないマニアクスだって存在するのだし、俺はそれを葬送(オク)ってるわけだから、もちろん『回避』や『見切り』だって人並み以上には出来るつもりだ。

 だが、だ。

 いちいちそんなことして疲れるぐらいだったら、最初から全てを受け止められる盾構えて突っ立っている方が楽だし賢いとは思わないだろうか。

 食らわなければ問題無い、は戯言だ。

 食らっても問題無い、こそが至上である。

 なにせ、食らったら問題があるのなら、それは抱えている問題から目を逸らしているに過ぎない―――自らの首に大鎌を掛ける死神から目を逸らしているだけなのだからな。

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