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異世界でスポーツ科学の達人〜パフォーマンス向上と怪我予防の冒険者ギルド日記  作者: あさあき
方向転換で膝を怪我する女冒険者
12/51

ゆっくり降ろしてエキセントリック!

「今度は、持ち上げた後の降ろすときに、すごくゆっくりゆっくりと降ろしていこう!」

「5を数えながら降そう!」


サリーは、苦しそうに顔を真っ赤にしながら、ゆっくりとバーベルを床に向けて降ろしていく。重たいバーベルをゆっくり降ろしていくのは、やってみると非常につらいのだ。


ギルド受付嬢、兼、フジカルの助手のエリカが聞いた。


「何でゆっくりなんですか?」


フジカルは嬉しそうに答える。


「よくぞ聞いてくれた!」


明らかにテンションが上がっている。おそらく、ここから徐々に早口になっていくのだろうと予想できる。


「エキセントリック収縮を活用したトレーニングをしたいからだ!」

「2021年の論文[McBurnie2021]によると、減速動作の多くはエキセントリック収縮が発生する」

「ゆっくりと降ろすことでエキセントリック収縮によるトレーニングを目指しているんだ!」


また意味がわからない単語が出てきた。


「エキセントリック収縮って何ですか?」


「筋肉の収縮のタイプが3つに分けられている」


フジカルは指を3本立てる仕草をした。


「筋肉が引っ張られて伸ばされながら力発揮が行われるのがエキセントリック収縮だ」


「逆に、筋肉が縮みながら力発揮が行われるのがコンセントリック収縮で、筋肉の長さが変わらずに力発揮が行われるのがアイソメトリックだ」


「エキセントリック収縮で発揮できる最大筋力は、コンセントリック収縮やアイソメトリック収縮よりも大きい」

「ただし、筋肉痛や筋損傷はエキセントリック収縮の方が発生しやすい傾向があるぞ」


「2014年の論文[Vogt2014]では、エキセントリックを活用したトレーニングは、コンセントリックやアイソメトリックと比べて、筋力向上の効果が大きいと、他の複数の論文を引用しながら述べている」


「ただ、注意が必要なのは、エキセントリックがコンセントリックよりも大事というわけではないということだ。」

「どっちも大事だ!」


「話をデッドリフトに戻そうか」

「デッドリフトでゆっくりとバーを降ろしていくことで、臀筋、要はケツ筋や、ふとももの裏側にあるハムストリングなどでエキセントリック収縮が発生することを目指したいわけだ」

「さらに、デッドリフトで降ろすときにエキセントリック収縮が発生する筋肉は、まっすぐ走って減速するときにエキセントリック収縮が発生する筋肉と似た箇所になりがちだ」


「このようなウェイトトレーニングも十分減速のトレーニングになるし、方向転換の練習にとってまっすぐ走ってからの減速が大事なので、ウェイトトレーニングも立派な方向転換のトレーニングなんだ!」

「しっかりウェイトトレーニングを続けて、動きのキレを上げよう!」


「ウェイトトレーニングの次は、いよいよ方向転換そのものの動作の練習だ!」


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参考文献

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[McBurnie2021]

McBurnie, A. J., Harper, D. J., Jones, P. A., & Dos’Santos, T. (2021). Deceleration Training in Team Sports: Another Potential ‘Vaccine’ for Sports-Related Injury? In Sports Medicine (Vol. 52, Issue 1, pp. 1–12). Springer Science and Business Media LLC. https://doi.org/10.1007/s40279-021-01583-x


[Vogt2014]

Vogt, M., & Hoppeler, H. H. (2014). Eccentric exercise: mechanisms and effects when used as training regime or training adjunct. In Journal of Applied Physiology (Vol. 116, Issue 11, pp. 1446–1454). American Physiological Society. https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00146.2013


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