お買いもの
「あたし、今度こそ『死ぬまえに生きたい』なー。
あたしを食べて殺した責任はそう取ってくれればいいよ、ね? 未来のお父さん?」
やれやれ、やっかいな悪霊に取り憑かれたもんだ。
ホント遠慮もなく弱いところをつくよな。
だけど、取り憑かれたものはしかたないよな。
「とりあえず今日はもう寝かせてくれ。久々にベッドで寝れるんだ」
「はーぃ、……ってもう寝てんじゃん。ことわりいれた意味あった?」
起きると日が傾きかけていた。どうやら昼過ぎまで寝ていたようだ。
「お兄ちゃんどんだけだよ! 夢のなかでまだお話しようとおもってたのにさ、いまのいままでずぅ〜っと気絶してて夢すらみてなかったんだよ! あたしたいくつだったんだから!」
どうやら意識を失ってるあいだは全く干渉できないらしい。ぐっと伸びをすると肩のまわりからバキバキと骨の鳴る音がした。
「さて、腹が減ったな。あと、今日じゅうに買い物をすませたい」
「なにかうの?」
「あまり長居できそうな街じゃないからね、旅支度みたいな感じ。
まずナイフか小さな剣。自分の腕を斬り落とせるくらいのがいい。一回焼いてから食べようとして、熱くてムリだったから。
あと鍋もほしいな。幸いいまのところなんともないけど、生水ってそのまま飲むと危ないから」
「お兄ちゃんたべものを買おうっていう発想ないの?」
「非常食にビスケットくらいかな? あとはかさばるからイヤ。どうせ食べたらなくなっちゃうし。あ、塩とカバンはほしいな」
「お、お兄ちゃん、あたしの死体をバラバラにして保存食にして持ち運ぶの想像しながら言うのやめて……。そういうところだよ……。あと、あたし頭のなかがわかるから外では口に出さなくていいよ……。あたしの声お兄ちゃんにしかきこえてないんだよ……。
このままじゃいろいろ頭おかしいひとだよ……」
腹の虫が足を急かした。日が落ちるまえに市場へ行こう。
市場へ行くと欲しいものはあらかた手にはいった。荷物をまとめるカバンに鍋にダガーにビスケットと塩とあと水筒。
市場のひとたちは皆目を丸くしていた。パンとソーセージを買ってその場でがっついたのはさすがに行儀が悪かったか。
「オニーサンずいぶんと景気良さそうじゃないか、俺にもお小遣いくれないかな?」
僕は後ろから首筋にナイフをまわされ突き立てられた。過去の記憶が悪寒を走らせた。
途中からヒロイン(背後霊)を追加しましたが、ベルセルクのパックやキノの旅のエルメスの役割が身にしみてわかりますね。
対話シーンがあることで話が書きやすいです。




