表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
181/225

ビーフストロ・ガノフ

ザッハ・トルテ王は、高い次元で起きていることを〈認識〉し、国が〈闇の軍団〉の総攻撃を受けていることを「見抜いた」。


この世界を裏で支配している闇の結社が、ザッハ・トルテをつぶそうとして圧力をかけてきている・・・。


そうすれば、ザッハ・トルテ国からなぜか離反者が出るのも、

闇の波動から護るために、目を隠したにも関わらず、つまづいて転ぶことが多いのも、すべてがつじつまがあった。


トルテ王は、〈ビーフストロ・ガノフ〉の配下にあるバル・バコアの街にその結社があると透視。


たしかに、バル・バコアの街の中心には、天を衝くほどの巨大な塔があり、それは〈ビーフストロ・ガノフ〉とつながり、時折〈ブラック・サンダー〉を発していた。

しかし、残念ながら結社らしきものは客観的に確認されていない。


誰か一人か少数の権力者がそこを牛耳っていたわけではなかった。

誰にもコントロールしきれないような巨大な「流れ」が、塔を形成し、ガノフとつながっていた。


その街にいる一人一人が多かれ少なかれガノフとつながりを保つことによってその流れ自体が形成されていたのだ。


人々は、だれでも自由にガノフにアクセスできた。

その象徴が、ブラック・サンダーを発する塔であった。


ガノフの指示に従う人は、それによって富を得ることができたし、また地位も得ることができた。

彼らは、ガノフに対して、時間と〈自分らしさ〉と〈自由〉を対価として捧げた。


そうして、いつの間にか、〈自由〉だった人々は、自らの〈主人〉となることをやめ、ガノフの提供する様々な〈主人〉に自分の在り方を決定してもらうようになったのである。


その代表的なものがを挙げてみよう。


組織

お金

仕事

占い

情報

医者・薬

権威・地位


などである。


青年ザッハ・トルテは、それらのすべてに恵まれなかった。

裏切られ続けてきた。

手に入らなかった。


彼はずっと思っていた。

「ガノフこそ、この世界における諸悪の根源である」

と。



そして最終戦争の勃発したこのたびは、「秘密兵器」を抱えた兵士たちを

ガノフの塔に送り込んで、兵士の命もろとも塔を破壊することに成功したのであった。


トルテ国では国を挙げて万歳三唱が行われた。


そして、それを機に宣戦を布告し、次々とトルテの軍隊は世界中に侵略を開始したのであった。


一方、塔を破壊されたバコアでは、一時は蟻の子を散らしたような混乱状態があったものの、

押さえつけられていた欲望が爆発し世界中に自らの欲望を広げる試みが始まっていった。


ガノフは、まるで雨雲のようにバコアの街を超えて広がっていく。


「ハハハ!

残念!

逆効果であったな。

あの塔は、我とつながる場所であると同時に、

我の暴走を押さえつけるコントロールシステムとしても機能していたというのに、

それをわざわざ破壊してしまうなんて馬鹿な奴め!」


バコアは、すぐさま報復措置として、トルテ国に攻め入ろうとした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ