褒めあうこと
四人は寝る前に静かな空間と時間をつくり、ひとり自分の〈こころ〉の声と向き合った。
そして、完全にくつろいだ状態で、女王から伝えられたシンプルな〈善き言葉〉を何百回、何千回も繰り返した。
ソラたちは、自分の目標や夢がかなった様子をありありとイメージし、喜びと感謝の感情に浸った。
ソラは、この冒険をもっともっと楽しみ冒険を続けていくこと、この旅で学んだことを多くの人に伝えて勇気を与えていることを。
ウミは、ティラミスの国をもっと幸せにできる姫になることを。
レイは、世界一の智者となり、革命を起こし、人類の歴史を一歩進歩させていることを。
ハルは、心の傷が癒され、平和な生活ができることを。
雲のただようエクレアの街で、〈こころ〉の力の秘密をマスターすべく四人は様々なことを学び、実践していった。
彼らは、互いに、互いの夢を恥ずかしげもなく語り合ったが、誰一人としてそれを笑ったり、否定する者はおらず、互いに互いの夢がかなうことを本気で信じることが出来た。
そして、互いは互いに長所を積極的に見出し褒めたたえ合った。
はじめは、恥ずかしかったものの、やってみると気持ちが良いのだ。
そして、それまでできなかったこともできるようになっている。
「こんなことを語り合える仲間がいること自体が、一つの救いなのかもしれない・・・。」
ハルは幸せをかみしめながらつぶやいた。
「ありがとう・・・みんな。」