表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/225

力を発揮するために

「誰一人それをやらなくても、自分一人でもそれをやるんだという気持ちでないと、物事は動かないものですよ。

誰かがやってくれると甘い気持ちで期待していても成功することなどありません。


誰もやらなくても、自分一人しかいなくてもやり遂げるのだという覚悟を持ち、立った自分一人でも行動を起こし、動き続けた時に、はじめて助けてくれる人が現れるのです。


自分のすべての力を出し切る。

互いに、自分の全力を発揮する。

そんな仲間たちがいる場所でこそ、人は自分の眠っていた能力を最大に引き出せるものなのですよ。」


ソラは、その話を聞いて、体の芯から震えるような喜びを感じた。

そして、そのような場所を四人で作っていきたいと思った。


「〈こころ〉の力を最大限に発揮できる場所のルール。

それは、先ほど言ったように、否定をしないということ。

また、相手の話をうなづいて、しっかりと受け止めること。」


「そんなことでいいんですか?」


ハルが口を開く。

「いや・・・ウミのことを思い出してくれ。

ウミは王女としていつも、同じ目線にまでくだり、笑顔でじっくり国民の話に耳を傾け、また一人費一人の美点をほめることを忘れていなかったじゃないか・・・。

それが、あの国があれだけ素敵な雰囲気になった理由でもあるんじゃないか。


・・・オレのいたトルテの国では、すべてが逆だった。

オレは・・・ありのままの自分を、肯定されたことも褒められたこともないよ。

いつも、何を言っても、しても、何をしなくても、否定しかされなかった。


・・・だから・・・生まれて初めて・・・ウミに認められて・・・・嬉しかったんだ。」


ウミが顔を赤くして、すこしうつむき加減で微笑む。


「・・・ハル・・・。

少しずつだけれど、あなたははこの旅で心を開いてくれるようになったね。」


「ありがとう。君たちのおかげで、オレも少しづつ変わっていくことが出来たような気がする。」


「良かったですね。ハル。

人は、受け止めてくれる仲間がいれば変わっていけるのです。


また、人が変わっていくために大切な出会いの条件をお伝えしておきます。


一つ目は、導き教えてくれるリーダーの存在。

あなた方にとっては、マスター・エッグタルトがそうかもしれませんね。


二つ目が、つながりを作る人。

三つ目が、少し先をいく憧れの存在。

四つ目が、ライバル。

五つ目が、安心できる基地。


あなた方が、ここまで順調に旅を続けてこられたのも、これらの条件をすべて満たしあっていったからなのでしょう。」


「あらためて、ありがとう・・・みんな。」

四人は、互いに感謝し合った。



「環境も大切ですが、もちろん、あなた方が変わろうとして動き続けたことも大切なことでした。


もうひとつ、〈こころ〉の力を最大限に発揮するための方法をお伝えしましょう。


それは、そうですね・・・時間帯はできれば眠る前か、起きた直後がいいかもしれません。

静かな一人きりの時間をとって、善き言葉をくりかえし、くりかえし、刻み付けるようにしてください。

全身の力をゆるめ、リラックスした状態というのが、一番〈こころ〉はその言葉を受け取りやすくなるのです。


否定的な言葉を使わず、具体的にどうするかということは考えないでください。

具体的な方法は頭でどうするか分からなくとも、全知である〈こころ〉は、必ずや思いもよらぬ方法で、忘れたころにでも最適な方法を出してくれるはずです。


何度か、〈こころ〉に願望の種を植え付けておいたら、あとはすっかり忘れて安心しておくのがいいでしょう。

昔蒔いた種が、忘れたころに芽を出し花を咲かせるように、〈こころ〉にまかれたイメージもその通りになります。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ