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五つの根源〜世界最強の兵〜  作者: ライナ
序章 ラルガの島編
6/8

村へ

お久しぶりでございます。

霧が晴れた頃、アレラは姿を消していた。滅びたのだろう。


宝箱を一瞥し、踵を返す。


この洞窟内では〈転移石(ラルマストーン)〉が使えない結界がかかっている。


そのため、一度歩いて外に出る必要がある。


これも神どもが時間稼ぎのつもりで考えたことだろうが、大したことはない。


俺は両足に魔力を込めた。


次の瞬間、地面が砕けると同時に俺は跳躍し、頭から天井にぶつかっていた。


すると脆くも天井の方が砕け、俺の体は上昇してゆく。


2秒後、俺は遺跡の外に出ていた。

しかし、ここも結界圏内なので、もう少しだけ歩かねばならぬ。


すると、待っていたとばかりに白い影が100ほど俺に突進して来た。


灰の刃が振るわれ、全てが首を薙ぐ。


「どいつもこいつも、不意打ちがお好きなことだ」


折れたのは、剣のほうだった。


俺が常時纏う魔結界に阻まれ、俺には何のダメージも与えられない。


「貴様ら如きが千、いや万いたところで同じことだ」


俺は〈天下無双(てんかむそう)〉に〈覇気深滅(ローレンブレイク)〉を重ねがけし、駆けた。


手早く片付け終わると、〈透視水晶(テラマリ)〉を使い、村の様子を覗く。


まだまだ結界は持ちそうだが、妙だった。


それを維持する魔力が、俺のものだけになっている。


リリアに何かあったようだ。これでは結界がもたないかもしれないな。


早めに戻った方が良さそうだ。


俺は〈転移石(ラルマストーン)〉を使い、村の内部に転移した。


そのとき、神の魔力によって転移を妨害される。


「お前の死に場所はここだ、〈破魔の根源〉」


そこには、是正の軍勢。


更に、中心に桁違いの魔力を持つ神がいた。


是正の神シンレーラだ。


「先ほどの転移妨害は貴様の能力か」


有無を言わせず、手刀が振るわれる。


「是正するのだ。(わたしたち)に反するものは、全て。魔法道具さえ、逃れられぬ」


「貴様らの都合に、構ってはいられぬな」


「それが摂理だッッッッ!!!!」


俺は、それを受け止めていた。


「まあ、落ち着け。それとも、このまま力比べでもするか?」


俺は奴の手をひねった。すると奴が体ごと回転し、頭を地面にめり込ませる。


奴はすぐさま飛び上がり、俺の手を振りほどいた。


俺はにやりと笑い、言い放つ。


「全員でかかってこい。さもなくばここはーー」


俺は背中に手をやり、その剣の柄を握る。


俺の魔力に呼応し、それを終滅せんと、魔法文字が荒れくるい、根源を浸食する。


根源もまた、その魔のチカラを打ち滅ぼさんと光を放ち、それが繰り返される。


俺の魔力が際限なく上昇し、周囲の木々という木々が吹き飛び、それだけで傀儡の半分が滅ぶ。


「ーー貴様らの死に場所だ」





蹂躙、開始ーー

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