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五つの根源〜世界最強の兵〜  作者: ライナ
序章 ラルガの島編
4/8

迷宮に座す是正の傀儡

村から一歩出れば、そこは魔物の領域だ。


どこもかしこも飢えたバケモノどもがいて、武器を常に構えていなければ、いつ死んでもおかしくないだろう。


俺を除けば、の話だがな。


「ギィエエエエエエエエエッ!」


魔物の悲鳴が響き渡る。


俺が一歩を刻むたび、魔物の死骸が百は転がる。


俺はこれだけの数を駆逐するのに、イングドゥはおろか、鉄の剣一本抜いてはいない。


ただ、歩くのみ。


それだけで俺の根源から溢れる魔力に弾け飛び、魔結界をズタボロにされ、魔物が死ぬ。


あらかた掃除を終えた頃には、迷宮ギガデアスに到着していた。


中に入る。


「始めてきたときから、ほとんど変わっておらぬな。」


ここはこの島ができたときからあると言われており、古びた(トラップ)魔法陣がいくつも点在している。


古びれば古びるほど、空気中の魔力磁場から魔力を吸収し、強大になる。しかし、それには悠久の時が必要である。


それらを全て突破していくが、今のところ〈目的のもの〉とやらにたどり着ける気配がせぬ。

と、思ったが。


「ふむ。興味深い魔力磁場が発生している。」


どうやら最奥の間かららしい。


俺はその古びた法陣扉を力ずくで開け、中に入った。


中には、大きな宝箱があった。


すると、後ろから魔力の流れを感じた。


「驚いたな。」


そこにいたのは、ツノを生やし、巨人のような見た目をした生物。


「我は、是正の神シンレーラの傀儡、アレラだ。世界を脅かす〈五つの

根源を、今ここで是正し、滅ぼす!」


「いきなり現れて物騒なことだな。俺と手合わせしたければ相応の申し出をせよ。」


有無を言わせず、奴が手刀を振るってくる。


容易にかわし、奴を根源の魔力に晒すが、なかなかどうして、滅びぬ。


これはーー


「神のチカラか。」


「左様。そして所詮破壊の神の子に過ぎぬそなたに、わたしを倒す術は無い。ここでさびしく、滅びろ。罪の子や。」


「ふむ。なんのことだか全く分からぬな。破壊の神というのも知らぬ。」


「しらを切るかっ!害人めっ!!」


しかしーー


「俺を本気で滅ぼすには、貴様ごときでは足りぬのでは無いか?」


俺は猛然と振るわれた奴の刃を、蒼き手で受け止めていた。


「ッッ!!??なぜ…。神のチカラが押さえ込まれる!?貴様は魔法が使えぬのではなかったのか?素手でどうとなるものでは無い!」


俺は押し返しつつ、奴に教えてやる。


「俺の体や、魔法武具、魔法道具を直接媒介にすれば、簡易なものなら魔法陣を維持できるのでな。」


弱体魔法〈覇気深滅(ローレンブレイク)


自らの手を蒼き魔力に染め、相手に触れることで、相手の根源に干渉し、その魔力を押さえ込む。


これに触れたが最後、奴はしばらくまともな魔法も撃てぬ。


「俺のチカラがわかったのなら、いますが地べたに伏せよ。許してやらぬこともないぞ。」


しかし、やつは不敵に笑う。


「たった一度神を超えたぐらいで、粋がらないことや。器が知れるぞ。」


俺は溜息をつき、再び両手を魔力に染める。


加えて、根源に魔法陣を描いた。


「ははは。神に同じ攻撃が通じると思わないことよ。そなたの速度では、すぐに見抜ける。思い上がるな。」


「思い上がるというのはーー」


次の瞬間、俺は奴の眼前に光の如く現れ、数十回殴りつけていた。


「こういうことか?」


「な…なんだトォ!!???」


やつは驚愕に目を見開き、鮮血を吐き出しながら吹っ飛び、壁にぶつかって止まった。


今俺が使ったのは、自己強化魔法〈天下無双(てんかむそう)


自らを光と化し、圧倒的な速度を手に入れる。


「神のチカラでも、俺の速さをとらえることはできなかったようだな。」

神の傀儡を倒すのにも、剣なんていりません…

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