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五つの根源〜世界最強の兵〜  作者: ライナ
序章 ラルガの島編
3/8

予言

「さて、アベル」


リリアが椅子に腰掛けていう。


「予言を与えましょう。」


「なんだ?」


「それは…」


リリアが〈時見瞳(ときみどう)〉を見開く。


次の瞬間、彼女の魔力が荒れ狂い、紫電を放出し始めた。


「!?…。鎮まりなさい。時見のチカラ。」


彼女は、必死に魔力を操り、チカラを抑えようとするが、うまくいかない。


「手伝おう」


俺は根源のチカラを少しづつ解放し、魔を打ち払う。


しかし、いつまでたっても相殺できる気配がない。


「ふむ。ラチがあかぬな。」


イングドゥを抜こうかと思ったところで、急に魔力が制御された。


「…収まったようですね。なんだったのでしょう?」


「分からぬ。ただ、なんらかの干渉があったようだ。」


「予言を、再開しましょう。」


リリアが再び〈時見瞳(ときみどう)〉を開く。


しかし、それは心なしか淀んでいる気がした。


「…見えました、アベル。あなたの進むべき道が。」


そう言って彼女は魔法地図を描く。


「この島の最南端、迷宮ギガデアスに、あなたの目的のものが眠るでしょう。」


「ほう。俺の目的とはな。全く心当たりがない。」


「行けば、目覚めるでしょう。但し、誰かとともに行ってはいけません。これはあなたが一人で乗り越えなければならない試練です。」


とは言っても、どんな不利な条件の試練を出されたところで、俺が負ける気はせぬ。真っ当に捻り潰すのが俺のやり方だ。


「心配は杞憂だということも、お前には見えているのだろう。」


そういうと、リリアは静かに首を振る。


「あなたが試練に臨む間の様子は、この魔瞳(まどう)に全く映りません。気をつけるほかないでしょう。」


「そうか。まあ良い。」


そう言って俺は踵を返す。


「お休みのところ邪魔をしたな。ゆっくり休むがいい。」


「…あなたに神の祝福がありますように。」


ほう。リリアが神などと口にするとわな。


「ああ」


特に気に留めず、俺は館を出た。すると、カイラが道端で草を抜いている。


「いつまで拗ねているのだ。」


そういう都会らはハッと振り向き、顔を綻ばせてこちらに駆け寄ろうとする。


しかし思いとどまったようにそっぽを向いた。


「お兄ちゃんなんか知らないもん。」


「そうか。そんなことより、少し出かけることになった。うちの番を頼んだぞ。」


カイラは驚いた様子で固まった。


「最南端の迷宮ギガデアスだ。まあ、散歩に行くようなものだから気にするな。」


すると彼女はハッと気がついたように、俺に叫んだ。


「わ、私も連れてってよ!」


「お前にはうちの番を頼んだはずだが?」


するとむくれた様子で、カイラは返す。


「だって寂しいもん…」


「ジイラに面倒を見てもらえ。それについてくると言っても、何をするつもりだ?油断すればお前なら一瞬で血の霧だぞ。」


カイラは一瞬怯むが、負けじと言い返す。


「私を連れて行かなかったら、きっときっと、後悔するんだから!」


「わかったわかった。土産は持ってきてやろう。ガイアドラゴンの宝玉がいいか?」


そう言って俺は歩き出した。

後ろからはなおも訴えが続いてくる。


「私を連れて行かなかったら、絶対絶対、後悔するんだからーー!!」


その声を聞きつつ、俺は〈転移石(ラルマストーン)〉の魔法道具で、で、村の入り口まで転移した。

後悔するんだから、、、

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