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五つの根源〜世界最強の兵〜  作者: ライナ
序章 ラルガの島編
2/8

世告げの姫

俺の根源からは、絶えず魔力が溢れ出している。


そのため、こうやって常に魔法武具を持ち出さなければ、周りのものを傷つけてします。


効果範囲は、俺のうちぐらいだが、それでも時たま、外にある村の結界魔法陣を傷つけては、迷惑をかけている。


生身で外に出れば、何が起こってもおかしくはない。


俺はイングドゥを担ぎ、服を着替える。

着替え一つでも、本来魔法が使えるところが、俺は手作業だ。


なぜなら、俺の根源の魔力によって、自らが描く魔法陣さえも壊すからだ。


灰のジャケットの上からコートを纏う。


そして、家を出た。


「あっ、お兄ちゃん!」


向こうから走ってくる少女が見えた。


「世告げの姫様が行っちゃうよ。早く行こう!」


そういって手を引っ張ってくる。


「そう急かすな、カイラ。コケるぞ」


俺がそういったときには、彼女はもう足を滑らせ、見事なまでにズッコケていた。


「イタタ、、」


「相変わらず幼いものだな。俺の妹とは思えぬ。」


「そんなことないもん!泣かないし。」


犬歯を剥き出しにして、カイラは叫んだ。


彼女は、俺の妹。


俺とは似ても似つかず、魔力は弱いが、優しい心を持つ九つの少女だ。


「強くあることだ。」


そういって頭をポンポンと叩き、俺は歩き出した。カイラもこくりと頷き、トコトコとついてくる。


ようやく、館についた。


扉を叩き、呼びかける。


「まだ起きているか、リリア。」


そう言うと、中から若い女性が出てきた。


「随分と遅かったですね、アベル。あなたが今日くるのはわかっていたのですが、予言のチカラが弱まったのかと思いました。」


そういって、リリアは微笑む。

彼女が、この村の主、世告げの姫だ。


この俺が、魔瞳()をきちんと見開かなければ、全貌が見えぬほどの魔力を持つ。


「お前の予言は外れることはない。例え、世界が終わろうともな。そうだろ?」


俺はリリアをみて言った。


「そうであれば嬉しいですね。」


「疲れてはいないのか?そうであれば出直すが。」


リリアは首を振った。


「いいえ、今日は是非ともあなたに聞いてほしい予言があるのです。」


「ならば良い」


俺は、館の中に入る。続いて、カイラも入ってこようとするが、リリアが即座に魔結界を張った。


「え?なんで?リリアさまあ。私もお兄ちゃんの予言聞きたい!」


リリアは静かに首を振る。


「いいえカイラ。予言というのは、様々な要因の上に成り立つものです。誰か一人でも違う行動を起こせば、全く違う未来が訪れてしまいます。私は予言の通りに、人々を導かなければなりません。」


リリアはカイラを諭すようにいうも、カイラは渋る。


「とのことだ、カイラ、そこらへんで遊んでおけ。すぐに戻るからな。」


「ええー。お兄ちゃん!」


「行こうリリア。こいつに言葉は通じぬということも、お前はわかっているはずであろう。」


「ええ。」


なおも訴えるカイラを尻目に、俺たちは予言の間に入った。




アベルを待ち受ける予言とは一体なんなのでしょうね。

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