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五つの根源〜世界最強の兵〜  作者: ライナ
序章 ラルガの島編
1/8

誕生日

生温かーい目でご覧くださいね。


ーー目覚めよーー


ーーお前の居場所はここではないーー


ーー破壊の神の傀儡として、歯車のごとく回

り続けるがーー


ーー五つの根源(ネームド)の宿命だーー











轟音が響き渡り、俺の意識が現実に戻ってくる。


「何だ!?」


外を見ると、黒焦げの箱の周りに、子供達がたくさん集まっていた。


「あー」


「真っ黒焦げー」


「残念無念」


彼らは残念そうにしている。


「…何があったんだ?」


すると、彼らはハッとこちらを振り向き、更に肩を落とす。


「残念」


「起きちゃったー」


「内緒の作戦」


「大失敗っ」


彼らは口々に言いながら、俺から逃げていく。

俺が起きたのを見てがっかりしていたようだが、何があったのだ?


「ああ、おはようアベル」


俺の向かいに住む、ジイラが声をかけてきた。

ふっくらとした体形で、穏やかな顔立ちをしている。


「ここにいた子供達が何をしていたのかわかるか?」


するとジイラはクスッと笑う。


「鈍感なんだ、アベルは。」


さて、分からぬ。


「今日はアベルの誕生日でしょお?だからプレゼントを作ってたのよ。錬金で。けど、失敗しちゃったみたいね。」


なるほど

それは残念だったな。


「でもあの子達は、また作ってくると思うわよ。」


それは微笑ましいことだ。


「次は消し炭にならぬよう期待しておこう。」


「そうだといいね。」


するとジイラが、ハッとしたように俺に言う。


「そうそう、アベルは今年で17でしょ?」


「そうだが?」


「じゃあ、世告げの姫様に、成人の道しるべを聞きにいったほうがいいよ。」


ここ、ラルガの村では、17が成人だ。

もっとも、この島から誰も出たことがなく、島唯一の村なので、ほかがどうかは知らぬのだが。


「そうだな」


世告げの姫とは、この村を治める主である。

その名の通り予言のチカラを持ち、その力を利用してこの村は回っている。


姫は世告げのチカラを溜めるため、ほとんどの時間を寝て過ごす。


朝の予言を終えると、彼女はチカラを使い果たし、眠りにつくのだ。


「できるだけ早くね、世告げの姫様は今日はこの一時間しか外に出てこないから。」


「わかった。」


そう言い残して、俺は橋の向こう側にある主の館を目指すことにした。


「…おっと、忘れていた。」


俺は一度家に入り、中央にいった。


「姿を見せよ。」


俺がそう言うと、隠蔽を解いて、漆黒の大剣が姿を現わす。


俺がそれを手に取ると、剣の魔法文字が踊り、俺と根源を浸蝕する。


これは、俺の並々ならぬ魔力を抑える、魔法武具。


浸蝕の大剣イングドゥだ。


彼のチカラはどれほどなのでしょうかね。

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