平成28年7月19日
皆さん、カマドウマという、恐怖極まりない生物をご存知ですか?
漢字で「竃馬」と書き、バッタ目・カマドウマ科に分類される恐ろしい化け物です。
別名で「便所コオロギ」とも呼ばれ、ただのバッタとは思えないほど、とんでもない跳躍を見せます。
その跳躍力は飼育器の壁に自ら突進し、衝突死してしまうほど強いのだと言う。
体に気持ち悪い模様を持ち、見る人に鳥肌を立たせます。
僕の住む仙台は、あまりゴキブリは見られないですが、代わりにこのカマドウマが夏になると頻繁に現れるようになります。
宮城は「カマドウマ天国」とも呼ばれていたり……。
カマドウマといえば、道尾秀介の著した「向日葵の咲かない夏」という作品の終盤に登場しますね。
これ以上話すとネタバレとなるので止しておきましょう。
カマドウマは気持ち悪いです。
大きい蜘蛛のような脚のシルエット、一瞬で姿を消すことができる跳躍力、吐き気を催させるグロテスクな模様。
全て僕にとっては駄目です。
そんな僕の、カマドウマにまつわる怖い話。つい数日前のお話をしましょう。
あれは、夜に祖父母家から家に帰ろうと、外に出たときでした……。
「そんじゃ、ごちそうさまでした〜」と僕は祖父母の家を出て言いました。
そして目を僕の自転車の方に移すと、その手前のあたりに大きな蜘蛛のようなシルエットが見えました。
「うわあ、でっかい蜘蛛だなあ」と僕は思いながらその傍を通りました。
しかし近くに来てやっと気付きました。それは僕の天敵、カマドウマでした。
「ヴァッ!」と僕はとっさに叫びました。
その頃、家の中では僕の叫びが「ファイッ!」と聞こえたらしく、不審がっていたようです。
僕は急いで自転車の方に歩いていきました。何もしなければどうってことない。そう自分に言い聞かせました。
自転車の傍に来たとき、僕はさっきカマドウマのいたところを振り返りました。
だが、そこにはカマドウマはいなかった!
どこに行ったのだろう。と僕は思い、ふと自分の足下を見ました。
すると、すぐ近くに例のカマドウマがいやがったのです!
「ひいいいぃぃぃぃ!」と僕は裏声で叫びました。情けのない声でした。
「カマドウマだぁぁぁ」。声は裏返ったまま、僕は後ずさりして祖父母の家の中へ戻りました。
祖父母達に笑われました。本当に情けない話です。
とまあ、何も面白くないですが、カマドウマとはそういう生き物です。
上手く避けながら生きていきましょう。
おさらば!




