陰陽師の真の力
明日から期末だー。やばいよ、これ
あの陰陽師の女の子、晴明を家に連れて行こうとスキマを開いた。しかし、
「私は歩いていきたいの」
と言って譲らなかった。俺と文は少し怪しんだが人それぞれだろうということで歩きで行くことにした。晴明は足早に歩いていき、俺たちは小走りしながら追いかけないとだめであった。
「晴明、お前歩くの早くないか?」
「気安く名前で呼ぶな。それにこれは普通だ、妖怪に勝つためにはこういうところも鍛えなければいけないのだ」
「そんなもんか?」
「そうだぞ」
と言う感じで意識しているようではなさそうだ。
晴明の早歩きに合わせていたためか、すぐに家に着いた。
「ここがお前の家か。広いな、妖怪は仕事も早いのだな」
「これ俺の能力で作ったやつだから」
「遊助の家、中はもっとすごいわよ」
家は、表向きが貧相すぎたので、垣根と庭を追加した。これでちょっと広い家くらいには見える。
「おじゃましまーす」
晴明が上がって行った。俺と文もそれに続いた。
「さて、陰陽師さん。さっそく取材をしたいのですが」
「いいわよ。そこの男、わたしはこの天狗と二人で話したい。別の部屋を借りるぞ」
「いいよ、別に」
俺がいちゃまずいのか、と考えつつも承諾をした。そのときに生命がフッと笑ったのに俺は気づかなかった。
「じゃあ、取材やってくるからー」
文も奥の方の部屋に入って行った。
「さて、俺は寝るか」
俺はごろんと横になり、目をつむった。
滴のポタ、ポタという音で俺は目が覚めた。俺の上には血まみれの文が覆いかぶさっていた。
「ゆ・・・・すけ。助け・・・・て」
「おい、文!どうした、誰にやられたんだ」
ときくも文は答えなかった。傷を見ると腹を何かで刺し貫かれていた。
「くそっ、いったい誰が」
「私よ」
取材をしていた扉を開けて出てきたのは、晴明だった。
「お前、ここまで来たのってまさか・・・」
「
あなたは知っていそうね。私、本気を見せる時は目撃者を全員殺すって決めた時だけなの。でも一回妖怪坊主とその一味に逃げられて、噂が広まっちゃったんだけどね」
妖怪坊主、おそらく白蓮の事だろう。この前も襲われて逃げたと言っていたしな。
「その天狗、弱かったわよ。あなたは楽しませてくれるのかしら?」
俺の中で何かが切れた。文に息があることを確かめ、回復薬を口に押し込んでから、
「晴明、お前死ぬぞ」
「何わけのわからないこと言ってるのかしら?死ぬのはあなたよっ!」
晴明が式神を複数召喚してきた。なんか使い魔みたいなのがイメージだったが、こいつのは特別なのか、妖怪をモチーフにしているような気がした。
「これ、私が退治した妖怪の中でも指折りの強さの奴らよ。だから魂を式神化して私が使っているのよ」
「考えが下種だな」
「言ってなさいっ!」
晴明も攻撃を仕掛けてきた。俺は妖力、霊力を使って気弾的なものを打ち出したが避けられてしまった。
「やはり接近しないと」
「無駄ですわよ。私にはこんな立派な壁たちがいるんですもの」
晴明は距離を取りつつ、式神となった妖怪を操り俺に攻撃を仕掛けてくる。このままではらちが明かない、そう俺は判断して創造を使った。
「とりあえず剣だ!」
霊力で強化された剣を一振り生み出して切り込んだ。しかし、相手は式神なのに自分で考えて動いているようで、剣を受け止めて折った。まったく手は抜いていないんだがな。
「やっぱ本気で行くわ」
「言い訳なのかしら?それに本気を出したところであなたは私に勝てないわよ」
「どうかな」
久しぶりに使う。妖怪になったら、すぐに元に戻れる自信はないが今はそんなこと言っている場合ではない。
「はあぁぁぁぁぁぁぁ、はあっ!」
いろんな妖怪の血を浴びてきたので、いろいろと混ざってキメラのようになる。しかも変態した時にいつも同じ見た目でない。が、力はみなぎってくる。
「これなら、お前を殺せる」
「そんなの、こけおどしだわ!」
晴明の式神どもが突進してくるが、意味はない。俺のパンチでみな一様に吹き飛ばされた。
「なん、、ですの?あなたは・・・」
「そんなの知らなくてもお前は死ぬんだから関係ないだろ」
「くっ、ここは撤退ですわ」
と声明は逃げようとしたが、地面にあった木の根に躓いて転んでしまった。
「大丈夫か?逃げなくて」
「い、いや、殺さないで」
「いやだ」
俺がその懇願を否定し殺そうと手を振り上げようとしたとき、
「今ですわ!」
と晴明が叫んだ。すると後ろの式神たちが起き上がって俺に突進してきた。完全に不意を突かれ俺は式神に捉えられた。
「その子たちは自爆ができますの。せめて最後に私の役に立ちなさいっ!」
「なっ・・・うわぁぁぁ!」
俺は式神どもからでた炎に呑まれていった。
廿楽遊助、死す!にはなりませんのでご安心ください




