春が終わり・・・
今日の短かった・・・
由々子が死んでからあの屋敷には俺も紫も行かなくなった。俺は幻想郷にこもり家の縁側でひたすら考えていた。由々子はどうなったのか、ちゃんと生まれ変われるのか、あの桜はどうなるんだろうか、とか。家は文の自宅なので、毎日取材に行って帰ってくる文が俺の話し相手だ。
「向こうの人間のことまた考えてるの?」
「ああ、やっぱりいろいろショックで」
文は、ハァと息を吐き、
「あなたがそんなに物事引きずってるなんてちょっと不自然よ。その人もあなたがしゃんとしていないと心配して成仏できないわよ」
と言ってきた。すぐには立ち直れないけど、今は心の中をきちんと整理して、また幻想郷に人を呼び込もう。
「最近かまってやれなくて悪かったな。紫とばっかり遊んでて」
「いいのいいの、とは言わないけどもう気にしないわ。その代り今あいつがいない間に甘えちゃうんだから」
「あいつって誰のことなのかしら?」
「ひぃ!?」
文が俺の後ろの声の主におびえる。
「紫か、いつもどこ行ってるんだ?」
「ちょっと三途の川までね。由々子の様子を見に行ってたのよ」
行けたのか。
「それでどうだった?」
「いたって問題なさそうよ。ただ未練が結構あって転生できないかもだって」
「おい、となるとどうなるんだ?」
「亡霊よね。ずっとあの世でさまよい続けることになるわ」
なんだって。それじゃあ西行妖から解放したのって・・・
「安心して、今幻想郷で暮らせないか相談してるから」
「なんだって!?」
「あのー、私も話に入れてくれるとうれしいんだけど・・・」
「てんっが何を言ってるのかしらね?」
「はい、すみません・・」
これじゃごちゃごちゃし過ぎだ。つまりは由々子は幻想郷で暮らせるかもしれないってことか。
「そりゃすごい。俺も今から三途の川行くわ。おい、文も行くぞ、スクープだ!」
「ええ、私この賢者嫌いなんだk「え?」すみません、何でもないです」
「よろしい」
怖いやり取りがあったような気がするが、今はそれどころじゃない。早く会いにいかないとな。
永夜抄にした