目覚めを待つのって・・・
ここで4章は終わりです。
神子や布都の今の人生を楽しむことに付き合っているうちに、尸解仙の準備が整った。青娥も自分で調べてちゃんと成功することができるように調整したらしい。おそらくミスはしないだろうが、布都が、太子様に何かあったらと、自らが先にやるといった。神子は丹砂の毒で死ぬことはないので、もし何か布都にあっても、尸解仙を中断できる。屠自古はやはり布都には会いづらいのか、今日まで家に来なかった。しかし、彼女の依り代である壺はすでにあった。
布都は儀式を行う前、なんだか動きがせわしかった。というか、不審な動きが多かった。屠自古の壺をどっかに持って行っていた。声をかけようと思ったが、ものすごい速さで遠くへ行ってしまっていた。いやな予感がする。屠自古にこのことを伝えてみると、
「別にかまわねぇよ」
と言われてしまった。彼女の壺は彼女が来たころにはおかれていた。ただ色合いが少し違った。焼かれていない気がするが、聞く気になれない。
布都がついに尸解仙を試す時が来た。青娥が薬を布都に渡した。
「それを飲めば、すぐに意識が落ちるわ。そして魂が、依り代、あなたの場合は皿に行くわ」
「う、うむわかったのじゃ。太子様、お先に」
そういって半紙に包まれた薬を布都が飲んだ。彼女はすぐに倒れた。
「布都!」
「遊助、神子様、しばらくお待ちくだされ」
布戸はそういって息絶えた。屠自古も後に続いた。二人の体はもはや抜け殻同然なのだが、それでもしっかりと、横たわらせた。次は神子の番になった。彼女の依り代は、天皇に伝わる宝剣だった。
「太子様、これを」
青娥がさっきと同じ薬を神子に手渡した。そして神子はそれを飲み、倒れた。
「神子!」
俺が駆け寄り抱きかかえると、神子は血を吐きながら、弱々しく言った。
「私、あなたと一緒にいれて楽しかったわ。それにあなた冷たいようで優しいし、好きになっちゃった」
「俺はお前の従者だからな。ご主人様をいつまでも待つだけさ」
「涼しい顔してそんな辛いことを言えるなんて、かっこいいわね。じゃあね遊助、また会う日まで・・」
神子も眠りについた。
「さて、あなたはこれからどうするの?」
3人が眠りについた後、俺は青娥にこう聞かれた。
「なにって、またぶらぶら旅でもするさ」
「そう、なら私も適当な場所でのんびりしてるわ」
「そうか、じゃあまたいつか会えるよな」
「なによ、まあ私は太子様が目覚めたらまた来るわ」
青娥はどこかへ飛んで行ってしまった。
「さて俺はどうしようかな」
この時代を後どうして過ごそうかな。
次から幻想郷の過去編です