残り時間
最近ゲームする時間を小説に回すようになっていた。
神子には薬を与えて、体調をもどしてもらった。これでゆっくり修行していけばいいのに、彼女は考えを変えるつもりはないようだ。ゆっくり修行をすればいいものを。
「遊助~、大変なのじゃぁ~」
布都が廊下の方から走ってきた。
「なんだよ、布都。そんなに慌てて、神子に何かあったか?」
布都に尋ねると、彼女は首を横に振った。
「ちがうのじゃ。わしの家が、大変なことに、とにかく来てくれ!」
「わ、わかった」
布都に連れられて都の神子の家並みに大きな家の前に来ると、火が上がっていた。
「ここお前の家か?いったいどうして」
「それが、、父上が謀反の罪でと家に朝廷の兵が押し入ってきたのじゃ。それで戻ってきたらこの有様じゃ・・」
史実だと、物部は蘇我にやられている。ということはこれは蘇我氏の仕掛けたものなのか?そう考えていると、屋敷から兵士と貴族らしき人間が出てきた。
「ここの家の奴は、布都以外殺せ、布都は今回の件は何も知らないからな、、なっ、、戻ってきたのか、しかも遊助まで」
屠自古がこれを主導していたのか。政治が絡んでいても冷淡すぎる。
「屠自古、どういうことだ」
「これは、違うんだ遊助、私は父上から頼まれただけで・・・」
「いや、それでも殺すなんて言葉をそんな冷淡にいうなんて、俺の知ってるお前じゃない」
俺が屠自古を問い詰めると、布都が制した。
「落ち着くのじゃ遊助、父上たちに何があったかは知らぬが、我々と屠自古は同じ目的があるのじゃ。ここでいさかいを起こしてどうする」
布都が親よりも尸解仙を優先させるのも、認めたくないが、神子のためでもある。
「わかった。でも布都の家族を殺すのは待ってくれないか」
「わかった。それは父上に頼んでみよう」
屠自古は納得してくれた。とにかく、神子だ。
帰り道で布都は俺に話しかけてきた。
「お主は、わしのことが嫌いになったのではないのか?親を見捨てるような非道な行いをする女子を」
「いや、少し迷ったけど、神子のためっていう気持ちも十分わかったから」
とはいっても、屠自古が憎くないわけはないだろう。
神子の家に帰ると、神子が元気に迎えてくれた。薬は効いているようだ。
「おかえり!今日は私が夕飯を作ってみたの」
貴族の娘が料理を作ることはまずないだろうから、おいしくないと思ってかかった方がいいだろう。
「さあ、食べて食べて」
「いただきます」
とは言ったものの、正直見た目がカオスなことになっていて、箸が付けられない。どこぞの漫画で見たことのあるダークマターが出来上がっていた。こんな奴が薬なんて作れるわけないな。
「というか、どうして急にこんなことしたんだ?」
「後もう少しで死ぬから、いろんなことしてみようかなと思って」
「いや、死ぬわけではないな。復活するし」
「ふふ、そうね。というか話そらさないで食べなさいよ。私の作ったご飯が食べれないっていうの?」
顔がマジだ。これは食べないと。一気に黒い塊を飲み込んだ瞬間、俺は大空を飛んだような感じがした後倒れた。
次は誰を出そうかな。




