尸解仙へ
例大祭のカタログ購入できた。
「どうしたの、遊助?顔が暗いわよ」
「ああ、これか。はは・・はははは」
昨日の俺に何があったかは、規制がかかりそうなレベルなので書くことはできない。やっぱりひなたは恐ろしい。半殺しにされた後、事情を理解してもらいッ返ってくれたが、俺の精神をだいぶ削って行った。
「大丈夫じゃなさそうだけど、遊助なら死なないしまあいいか」
屠自古が言う。確かにそう簡単には死なないが、俺は宝来人や強い神みたいに不死身ではないんだよなぁ。そこら辺は青娥も同じだろう。仙人とはいっても、殺されるんじゃないだろうか。
「そういえば、道教の最終目的は仙人になることだよな。結局修行してたらなれるもんなのか?」
「そうねぇ、結構道のりは長いわよ。すぐにはなれないわ」
青娥の言葉に神子は顔をしかめた。そしてこういった。
「手っ取り早く仙人になる方法はないのか?」
「なくもないけど、そのためには一度死ななきゃならないわ。尸解仙っていうやつね」
「そうか・・・」
神子がうなだれた。やはり支配者は永遠の命がほしいのだろう。
「気にすんなよ、いつかなれるさ」
「そうね、あなたは何年、何十年でも待ってくれそうよね」
「そんなの当然だろ。俺はお前の護衛だ。ずっとお前のそばにいてやる」
われながらなんと無責任なことを行ってしまったのだろう。だが、そんな単純な言葉でも神子は満足した。
「ありがとう遊助、早く仙人になれるよう頑張るわ」
その日から彼女は、地下に部屋を作らせ、日々そこで何かをしていた。中は見ないでと言われたので見ていないが、あまり穏やかではないようである。
「太子様はいったい何をしているのじゃろうか」
布都も心配をしている。部屋の中のことを青娥は知っているようだったが、教えてくれなかった。しかしあまりにも心配だ。部屋から出てきたと思ったら、顔は青白いし、気分が悪くなったということが多くなった。東方ではこの後どうなるんだったかが、よく思い出せない。
「神子、お前しっかり健康管理はしろよ。まだ人間なんだから、下手したら死ぬぞ」
「大丈夫よ、ごほっごほっ、私は平気だから」
明らかに大丈夫そうではないのだが、その背中が今は聞かないで、と言っているような気がして聞くことができなかった。
そうして半年ほど過ぎていった。道教は政の実権を握るために始めていたはずなのだが、神子は家からでなくなった。
「神子、お前もうこんなバカなことはやめろ!死にたいのか」
「大丈夫よ、あともう少しで私仙人になれるから、、げふっげふっ」
咳をすることが多くなった彼女はもうだいぶ衰弱していた。そして彼女の口の周りには血がついていた。
「お前・・血を吐いてるじゃないか。何やってたんだ!」
「何って、、薬を作ってたのよ」
彼女はもう弱っているので話は聞けない。代わりに青娥に聞くことにした。
「青娥、お前神子に名に教えた?」
「私はただ、丹砂っていう、薬を教えただけだけど?」
丹砂?どこかで聞いたことがあるぞ。それって猛毒だったはず、
「お前、なんてもん教えてんだよ!」
「いや、でもそういう風に聞いただけだから」
青娥はもう質問に答えられなさそうだ。神子のところに戻ることにした。
「神子、お前毒作ってたのかよ。とりあえず薬で治さないと」
「いいの、これで私尸解仙になれるから。あなたとずっと一緒に過ごしたいけど、今のままじゃ老いさらばえるだけだから、そんなの嫌だから、だからお願い今は寝かせてくれないかしら?」
俺は迷った。彼女を助けることは俺にはできる。でも俺の能力では生命の倫理は覆せない。彼女に永遠を与えることはできない。悲しいが、彼女の願いを聞くべきだろう。
「わかった。何百年でも何千年でも待っててやる。だから必ず、帰って来い」
「ありがとう、遊助」
青娥が部屋に入ってきた。
「尸解仙やるには依り代と準備が必要だから、今すぐにはできないわよ」
神子の残された時間をどう過ごさせてあげればいいのだろうか
話まとめすぎたきがする




