口の悪いお嬢様
昨日は投稿できなくてすみません。エタることはないですからね
青娥が来てからはや一ヶ月、神子も布都も道教にすっかり熱中している。俺は道教なんてやらなくても、すでに日とは超えているし、永遠の命もある。だから青娥に勧められても無視していた。が、皆が修業している間、俺は一人なので暇になることが多かった。今日もそんな日であった。
「あ~、最近熱くなってきたな。もう夏か」
手元に温度計を創造して測ると、29度あった。少なくとも、春ではない。この都にも慣れてきたが、服が暑すぎてどうしようもない。なんたって袖が長い。熱中症にもなりそうである。
「暇だし暑い~、どこか涼める場所って、そうだ!ひなたいるじゃん!」
忘れてた、とかいうと彼女に怒られそうであるが、丁度いい、高天原行こう。俺がテレパシーを使ってひなたに呼び掛けると、珍しくすぐに反応してこなかった。そして反応が数十秒後に帰ってきたと思うと、
「私は今所要により会話ができません。ピーという音が鳴りましたら、メッセージを残してください」
は?でれないとは。しかもテレパシーに留守番電話機能があるなんて、初めて知った。しかし、これだと、本当に何もできない。俺が都の通りをぶらぶらしていると、
どんっ
誰かにぶつかった。
「おいお前、気を付けろどこ見て歩いてんだ!」
妙に高い声で返されて、俺が顔を上げると、そこにいたのは布都と同じような格好をした女の子だった。
「すまない、というか言葉遣い悪いね、女の子なんだから直せば?」
そもそも彼女が誰なのかは、現世で東方見てきたからわかっている。しかしここで急に名前で呼ぶと、気味悪がられそうなので、やめておいた。
「うるせぇ!口は仕方ねえだろ」
なんかすごい失礼な気がするが聞いてみることにした。
「今すごい暇なんだけど、ちょっと話さない?」
かなり失礼だよ、やっぱり。相手貴族だし。
「いいぜ、私も暇だったしな」
以外にとおった。
「外で話してたら、暑くてしょうがないだろ。うちに来いよ。お前も身なりからして、農民とか下級貴族ではないだろ。だったら家でも許してくれるさ」
「ありがとうな、屠自古」
あ、やっちゃった。
「お前なんで私の名前知ってるんだ?」
「い、いやそれは・・・・仙人、そう仙人だからだ!」
まあ、嘘は言ってない。それに近い。すると屠自古は驚きながら、
「この前渡来してきた道教とかいうやつか!なら、頼みがある。ぜひそれを教えてくれないか?」
「いや、俺は別にかまわないけど、神子がなんていうかなぁ」
するとまたしても屠自古が驚いた。
「太子様を知っているのか!?ということは太子様も道教を、、」
「ま、まあとにかく話は神子のところで聞こう」
「それで、屠自古を連れてきたわけね」
「そうだ。まあ、別に教える奴が増えてもいいだろ、青娥」
「太子様がよろしいというのであれば、お従いします」
神子の家に連れてきて、事情を説明したら二人は許可してくれた。しかしその中で、一人不満があるものがいた。
「太子様、この者は絶対にダメです!この者の家は神仏派ですぞ」
「まあまあ、いいじゃない。物部と蘇我が仲が悪いのは知ってるけど、そんなにカリカリしないで」
「そうだぞ布都、家と個人は別だ。仲良くしてやってくれ」
俺と神子がたしなめると布都はしゅんとうなだれた。その様子を見て屠自古がニヤニヤしている。悪いお嬢様だ。
「まあ、今日は遅くまでやってくから、あなたも泊まっていきなさい。馬子さんに手紙書くから」
馬子というのは屠自古のお父さんのようである、神子が5分ほどで、手紙を書き終えると、それを小間使いに渡した。
「さてこれで今日から屠自古も一緒ね。頑張って仙人めざしましょう」
かれこれ5,6時間の修業をしていた。俺は見ているだけだったが、皆は疲れて寝てしまった。
「あ、遊助、ごめ~ん。さっきは連絡してくれたのに出れなく・・て」
そこにひなたが現れてしまった。俺の周りには4人の女の子、ひなたが表情を変えた。
「事情を聴きましょうか、遊助」
「いや、違うんだこれは・・・おい待て、何だそれ、そんなん刺されたら死んじゃう、ぎゃああああ!」
夜の都に俺の悲鳴が響いた。
4章短くなりそう