道教がやってきた
幾何の成績が、やばい
護衛のような仕事をするのは、永琳の時以来だ。何千万年前かももう忘れてしまった。永琳付きで元気にやってるのかなぁ。豊姫と依姫はみんなのリーダーになってるんだろうか。必ず会いに行くって約束したからな。3人ともいつか絶対会いに行くぞ。
「もう、遊助は護衛なんだから、私から目を離さないでね!」
神子にたしなめられてしまった。今は彼女の護衛だ。彼女の安全をしっかりと守ろう。
「俺今日からだけど、どこ行くんだ?」
「なんでも大陸の方から仙人とかいうのが来るみたいよ。向こうには不思議な術を使うあなたのような人がたくさんいると聞いているからぜひ会ってみたいわ」
「そうか」
都の中心にある皇居のとでもいうべきところに行くと、門番が
「太子様、お待ちしてありました」
とあいさつをした。そして彼女は
「この者は私の護衛です。中に入れてやってください」
と俺を指さしながら言った。門番たちは、何も言わずに俺も入れてくれた。
中に入るといろんな人がいた。どれも貴族っぽかったが、玉座に座っている人間だけ、少しだけ霊力が強かった。おそらくあれが天皇だろう。その大陸の要人がまだつかず、皆がやがやと話していた。そしてそれがしばらく続いて、俺も早く来ないかな、と思ったとき
「ごきげんよう、倭のみなさん」
と俺の後ろから声がした。振り返るとそこには青い髪の仙人、霍青娥がいた。俺以外のみんながどよめきを上げる中、彼女はゆっくりと、天皇のもとに歩み寄った。と思ったら俺の方に向かってきた。
「あなた、人間じゃないわね」
青娥とは違ったざわめきが辺りにおこる。
「なんでそういえる」
「ごまかしたって無理よ。私にはあなたの霊力見えるから」
やっぱりごまかせない奴はごまかせないもんだなぁ。
「そうだな、俺もお前に近い、仙人ともいえそうだな」
今度は神子も驚いていた。
「遊助、これはどういうこと!?」
「ああ、俺の能力、いろいろあって神からもらったものだから」
「ええ~~~っっ!」
部屋がざわめきに包まれる中、青娥は勝手に帰ろうとしていた。彼女的には顔を出しただけでも挨拶らしい。そして俺と神子に、
「ついてきて」
と言ってきた。で俺は彼女が壁をすり抜けるのを知っているので、神子の手をつかんで瞬間移動で、部屋の外に出た。
「きゃっ」
「神子、すまない」
「大丈夫よ、それにしてもあなたまで仙人だったのね」
「そうだな」
と二人で話していると、
「私の話も聞いてもらえるかしら」
と青娥が口を開いた。
「そうだったな青娥。で話ってなんだ?」
「それは・・・あなたたちに仏教を広めてもらいたいの!」
はあ?青娥って道教の仙人じゃなかったっけ。それが仏教と、何を言ってるんだ。
「なんでだ。お前道教やってるんじゃないのか」
「あら知ってるの、なら話が早いわ。修行したらみんな仙人になれちゃうでしょ。そしたら政治とかやりづらいでしょ。だから表向きは仏教を勧めて、裏で私たちだけが道教をやるのよ。私があなたにしっかり教えてあげるわ、そこのお嬢様」
神子はこの話に乗り気なようで、
「前向きに考えます」
と言ってきた。
「じゃあ早速あなたの家泊まらせてもらうわね」
なんかよくわからないが、豊聡耳の家に居候がまた一人増えるということになった
布都の出番増やしてあげよう