都に住もう
今日寒かったなー
洩矢のところに世話になろうとも考えたが、あそこはひなたがいないと気まずいしな。かといってどっかに家を作って住むっていうのも寂しい。まあひなたがいれば頼る必要もないので、彼女を呼ぶことにした。神様っていうのはなんかテレパシーも使えるみたいでひなたの方に届くように念じれば来てくれる。
「あっ、呼んだ?」
すでに隣に来ていた。
「早すぎじゃないか。テレパシー使ったときにはもう居たろ」
「あなたが呼んでる気がして」
相変わらず心を読まれている気がする。
「それが、ここの里がなくなっちゃってて、文たちがいないんだけどなんか聞いてないか?」
「ああ、それがなんか別の場所に引っ越すとか何とかで、別の妖怪が作ってくれた新しい住処に行くとか言ってたわね。何でも急に表れたらしくてそのまま移動することになっちゃったみたいね。あなたのお嫁さんたちは反対してたけど」
流石神様というだけあってしっかりと天の上から見ていた。
「ひなた、ありがとな。でそこどこだ?」
「それが私にも行けないところなのよね。物凄く固い結界が張ってあって簡単には行けないわ」
「どうも。で俺今住む場所ないんだけど、高天原行ける?」
すると彼女が顔をしかめた。
「ん~、行けなくもないけど、今弟がいるから」
「弟?なんでいるとダメなんだ?」
「スサノオって知ってるでしょ。まさに彼なんだけど、ものすごく乱暴で暴れると手が付けられないのよ。パパもそれで前は怒ってたのよ」
「ふ~ん、名前は知ってるし乱暴だったって話も聞くけど本当だったのか」
「私も前は怒って太陽隠したりしたわ」
そういえば暗くなった日あったな。文や勇儀は日食なんて知らないからかなり慌てていたな。
「じゃあ、高天原はだめなのか」
「そうね、でも都であなた女の子に合ったでしょ」
「やっぱり見てるのか。神子がどうした?」
「あの子のところに泊まればいいんじゃない?都には私もすぐ行けるから、私にも会えるわよ」
やっぱりそうすべきかなぁ。
「まあ、取り敢えず都行くわ」
瞬間移動便利過ぎ。
またしても一瞬の移動であった。今度は玄関前まで来た。
「神子ー、いるかー」
「あれっ、遊助もどってきたの?」
「なんか家が消えてた」
「ということは・・私の護衛やってくれるの?」
「そうするしかないよな」
すると神子はその場で飛び跳ねて、
「やったーーーー!」
と喜んでいた。これ聖徳太子か?本当に?普通のかわいい女の子じゃないか。
「じゃあこれからよろしくっていうことでいいのかな?」
「そうね、じゃあよろしくね、遊助。護衛は明日からお願いね」
「了解」
こうして俺の新しい暮らしが始まった。
今日少し遅れました。すいません