時が経つのは早いもので・・・
次から4章にします
結局俺とにとりはそのままずっと友達ぐらいの関係だった。何せにとりの話をするたびに、嫉妬からかとても機嫌が悪くなる嫁たちがいるのだ。やがてょん等に離せない雰囲気になった。ひなたの方は別にいいんじゃないの?、と大人の余裕を見せていたが、増えたら快くは思わないだろう。2か所を行き来しているうちに
100年ほど時が流れていた。諏訪子と神奈子がいる、あそこら辺は大したことはないが、都、俺が大昔に歴史で習ったような、近畿の奈良のあたりはすごい進歩を遂げている。なんか、ひなたの親戚の子孫が天皇をやっているようだ。ひなたはあまり興味がないらしく、その話は俺が聞いた時だけしか話さない。とはいっても気になるので聞いてみた。
「天皇って何やってんの?」
「まあ政治よね、一応私たちの子孫だけどもうだいぶ神の力は薄まっているわ」
ほぼ人って感じか。それでも天皇ってすごいよな。現代にもいるし。
「なるほど、まあ見に行く価値ありそうだな」
「そんな簡単にはいかせてもらえないわよ。私が何かを言ってもね」
「う~ん、まあ考えておこうかな」
再び妖怪の里に戻った俺は、嫁たちにこう言った。
「ちょっと旅がしたい」
みんな唖然としている。
「え?おまえ何を言っているんだ」
「ちょっと遊助、私たちおいてってどこ行くのよ」
「まあ落ち着け、都に行きたいだけなんだ。なんかこことは違って活気があるみたいだし、たまには違う空気も味わいたいなと思って」
「私たちを捨てていくの?」
文が急に目を潤ませながら言ってきた。もちろんそんなつもりはない。
「安心しろ、ちょっとそこに言ったらすぐ戻ってくるから」
「信じていいの?」
「約束するよ、文」
「わかったわ」
ということで俺は都に行くことにした。まあ、今や瞬間移動が使えるから、一瞬なんだが。
「じゃあ、いってくるよ」
と言っておれは一瞬で都らしきものが見渡せる丘の上に飛んだ。人目に付くところに出てくると面倒なので、なるべく静かなところを思い浮かべながら瞬間移動した。で、出てきた場所がよくわからないが、とにかく都が見えるからそっちへ行ってみよう。そう思いつつ歩き始めたとき俺の後ろから、
「きゃああぁぁっ!」
と叫び声が聞こえた。声がした方へ向かってみると、そこには牛車とその周りにいる男たちがいた。そしてその周りを妖怪が囲んでいる。声の主は牛車の中にいる誰かさんのようだ。
「おい人間さんよぉ、俺ら最近ここ来るやつが少なくて腹空かしてたんだ。だからおとなしく食べられてくれよっ!」
妖怪が爪を横に薙ぐと、従者の一人を真っ二つに切り裂いた。。
「うがっ」
短い声を上げ従者の胴体は地面に落ちた。
「ひっひっひっ、さて残りも殺して食うとするか。なるべく新鮮な方がいいもんな」
「牛車の中には女子がいるのか。柔らかい肉が愉しめそうだ」
ん~、もうかないとダメかな。俺は隠れていた木の陰から体をだし、
「お~い、そこの妖怪さんたち。かわいそうだから見逃してやってよ。代わりの食べ物ならあるから」
俺の声に人間も含め全員が振り向いた。
「ほう、代わりの食べ物か。どんなものだ?」
「こんな感じ、のお肉とかだよ」
と言っておれは牛肉やら豚肉やらを出した。これなら食べてくれるだろう。
「なんだこんなものか、だが見逃してやるとしよう」
「そうか、どうもありがとう」
「ただし・・・代わりにてめぇが喰われるんだよっ!」
頭のような妖怪が向ってきたのを皮切りに、一斉に妖怪が襲い掛かってきた。10体ほどか、弱そうだしこんなんで大丈夫かな。俺は手元に光線銃を作ってみた。これは完全に遊びだ。一度使ってみたかったんだよな。
「おりゃっ」
ぴゅしゅーん
なんか頼りなげな音ををたてながら光線は妖怪に当たった。
「ん、何だこれ、全く気かなッ、ぐはっ」
あたって少し時間差を置いてから妖怪の体が破裂した。あれ~おかしいな、俺ガ〇ダムの銃をイメージしたつもりなんだけどな、こんなグロイ殺し方は期待していない。頭らしき奴の肉片が辺りに散らばった。
「お頭さんやられちゃったけど、どうする?まだ続ける?」
「「「ひっ、ひぃぃぃーーーー!」」」
妖怪たちは逃げて行った。
「みなさん大丈夫ですか?」
最初に殺されたあの従者以外に犠牲者はいなさそうだ。すると牛車から人が下りてきた。
「助けてくださってありがとうございます、私は豊聡耳神子と申します。しつれいですが、お名前は?」
「俺は廿楽遊助だ。まあ、礼には及ばないよ、じゃあ、俺都に用があるんでこれで」
「待ってください!」
「なんですか?」
「その、ぜひうちに寄っていきませんか」
「いや、俺は別にいいですよ」
「ですが何かお礼をしないと気が済まなくて」
そんなことを言う女の子に連れららえて俺は都に向かっていった。結局同じ宝庫だから問題なかったな。
神子はマント付のほうが好きです