記憶を取り戻してみた
3章はこれで終わりです
「くっ、はあはあ、、、」
「あら、もうおしまい?まあ、妖怪の分際で神に立ち向かった割には何もできてないわね」
「まだ、まだぁ!」
神の中でも上位に位置する彼女に妖怪4人では勝てるわけもなかった。皆、体のところどころが焦げて煙を上げていた。
「でも妖怪にしては頑張ったわね。だからご褒美にいいこと教えてあげましょうか。遊助はね、あなたたちのことを忘れてるわ、というより私が記憶を奪ったのよ」
「なんですって!?」
「見てこの玉、きれいでしょう。この中に彼の記憶の一部が入ってるのよ。これが私の手元にあるうちは彼は私のものだわ」
「この外道!」
「妖怪には言われたくないわ」
文たちは睨むが、もはやそんなものは意味をなさない。
「まあ、でもこの玉を壊せば記憶が戻るかもね」
「だったら!」
文が程度の能力で作り出したかまいたちを放つ。しかしそんなものは神には無意味であった。ひなたに当たった瞬間消えてしまった。
「言った瞬間に攻撃してくるなんて馬鹿ねえ。所詮妖怪だわ。さてもう消えてもらいましょうか」
「入るぞ~、ってあれ?返事がない。おい天照やー、いないのかー?」
この日はたまたま地上に用事のあった伊弉諾は地上に降りてきた娘を探していた。そして遊助も拾って高天原に帰ろうとしていた。
「ッと、遊助君じゃないか。天照はどうしたんだい?」
「あっ、ああ伊弉諾さん。それが彼女向こうの山に行っちゃって」
「ふ~ん、成程な。しかし何をしているのやら。見に行こうかな、遊助君もついてきてくれ」
「はあ、はい」
文たちはもう完全に抵抗できなくなっていた。全員が虫の息、体のいたるところから血が出ていた。
「少しいたぶりすぎちゃったかしら。さてじゃあ楽にしてあげようかしら」
「こんなところでッ、、遊助・・」
「いくら呼んでも彼は来ないわっ!だって記憶がないんだから。消えなさい妖怪どもっ!」
彼女が閃光を放とうとしたその時彼女の手にあった遊助の記憶である球が撃ち抜かれた。
パリンッ
音を立てて球が砕けていった。
「だれっ!?」
「天照よ、私はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ」
「パパ!それに遊助まで」
「おお、ひなた。なんかついて着てって言われたから来たんだけど、あれなんだこのもや?」
割れた球から出てきたもやが遊助の方に行き彼の顔の周りを漂い始めた。
「おい、これなんだよ。払えないんだけど、このもや」
しかしそのもやは彼の周りで自然に溶けて行った。
「あ・・ああ・・そんな」
「っと、あれ俺今まで何をして、、、文、椛、勇儀、萃香、なんだってこんなにボロボロなんだ!」
「娘よ、事情を聞こうか」
こうしてお説教と4人と、神奈子、諏訪湖の治療をする時間になった。なんだか能力のことまで忘れていたらしく、永琳の能力のことが最初は思い出せなかった。1時間ほどで、みんな元通りの体になった。この能力便利だなー。そして父親から説教を受けているひなたのところに行った。
「まったくお前は、人様の記憶を奪って自分のもとにおこうなんて、神だからと言って何でもしていいわけではないんだぞ!」
「ごめんなさい、でも遊助がほかの女と一緒にいるのを考えたら辛くて・・」
ひなたがかわいそうになってきてしまった。どんなことをしてもこいつは俺の嫁だ。
「ひなた、お前の気持ちはよくわかった」
「えっ、、じゃあこれからもずっと一緒に「それは無理だ」・・そう」
そうしてやりたいが他にも嫁がいるからな。
「まあ、でも俺はお前の夫だ。これからもお前のことを愛し続けるよ。それは約束する」
「ありがとう」
「ありがとう、遊助君。こんな娘のパートナーになってくれるなんてもう何と言ってよいのやら」
「いいんですよ伊弉諾さん。僕にも責任がありますし」
寝てた文たちも起きてきた。
「あれ、遊助?遊助じゃない!会いたかったわ。大丈夫?あの女にひどいことされてない?」
「文、俺は大丈夫だ。彼女も反省してるから許してやってくれよ」
皆少し不満なようであったが、納得してくれた。
「じゃ、お近づきにまた宴会だー!」
「また宴会ですかー、毎日毎日本当に好きですね」
伊弉諾さんがまた暴走しだした。俺が諭すも、
「騒げることが大事なんだよー」
だ。騒がしい日々はしばらく続きそうだ。
4章のまえにちょっと休憩を




