主人公を復活させたい
「遊助!」
彼が爆発に巻き込まれた時、その場にいた全員が名前を叫んだ。爆発した後にはもう人と呼べる形の裳は残っておらず、しばらくの間誰一人言葉を発さなかった。やがて、晴明が、爆発した場所に力なく歩を進め、その後崩れ落ち泣き出した。
「遊助っ、こんなのって、ないですわ・・・」
泣き崩れる晴明の姿を見てその場にいたほぼ全員が涙を流した。
「・・・片割れ君が消えちゃったか」
「あなた私たちの神なんでしょ?遊助を生き返らせてよ!!」
ぼそっとつぶやいた神様に豊姫が詰め寄った。
「そうよ。あなたにはその責任があるわ」
永琳からも言われ、神様は少し考えてから
「まあ形は作れるけど、魂までは流石に無理だなぁ。似せることはできるかもしれないけど完全には不可能」
と答えた。その言葉を聞いた晴明は絶句した。
「そんな・・・どうすれば」
「とりあえずやってみるよ。成功しなくても恨まないでほしいな」
数か月後、幻想郷は少し変化したもののいつも通り時間が流れていた。里の寺子屋もいつものように子供たちの元気な声が聞こえていた。
「そういえば晴明、遊助はどうしたんだ?最近全く来なくて子供たちがさみしがっているし、また来てくれるように言ってくれないか?」
何も知らない慧音は晴明にそう聞いた。しかし遊助はいない。
「それは・・・ちょっと彼は今忙しくて」
「そうなのか?残念だな。まあ、もし暇になった時は来てくれと伝えてくれ」
晴明は慧音にそれ以上何も言うことができなかった。
遊助がいない幻想郷に違和感を持つ者は多くいた。永遠亭にも紅魔館にもいた。
「ねえ永琳。遊助は帰ってくるかしらね・・・」
「それはまだわからないわ。でも、あの神様を信じるほかはないわ」
「そうね。また一緒にゲームしたいわ」
遊助が復活するのはもう少し後である




