すべて解決する、のか?
数的にはこちらが有利なのだが、彼女はたぶんかなり強い。俺が一回やられているわけだし、やすやすとは勝てないだろう。
「外の世界なんて今まで興味もわかなかったけど、君みたいな強そうなのがいるなら、僕は評価を改めざるをえないね」
彼女は神様の言葉に、
「いま評価を改めたってもう遅いんじゃない?まああなたたちみんな消して私は遊助とここで生きさせてもらうわ」
と自信ありげに返した。そこまで自信があるのか。
「それはお断りだな。お前のことは嫌いじゃなかったが、その性格直してからじゃないと一緒にいたいと思わない」
俺としては顔は美人で、面倒見も良いように感じたのだが、やはりヤンデレは怖いし、すぐに紫とかを消してしまいそうなので、ちょっとお断りである。これからどう決着がつくのかもわからず佇んでいると、神様が俺の肩をポンと叩いて、
「そういえば、遊助君。君に貸していた僕の力を返してくれないか?それならたぶん勝てると思うんだけど」
と言ってきた。今の状態ではどうなるか微妙だから、それにかけるしかないのかもしれない。
「わかった。あとでちゃんと返せよ。それないと俺ただの人間だからな」
「それは約束しよう。まあ君はそこで座ってみていてくれ」
一応約束してくれた神様は俺の肩に手を置き、
「じゃあ返してもらうよ」
と力を抜いていった。俺自身にも力が入らなくなっていくのが感じられた。
「人間ってこの程度の力しかないんだな。俺こんな弱かったのか」
「そうだね。まあ人間をしばし味わっといてくれ」
神様と紫たちは向き直り、彼女との戦いを始めた。
「くっ、流石に私ももう戦えないわね。でも、向こうはもう動けないようね」
およそ数十分の戦いののち紫たちと神様の猛攻によって彼女はもう動けないようだった。
「さあ、もうあきらめてもらうわ。遊助は私たちと一緒に帰るのよ。いいわね?」
紫の問いかけに対し彼女は、気味の悪い笑みを浮かべた。少し気持ち悪かったが、諭すために俺は彼女に近づいた。
「会いたきゃ俺もこっち来るからさ、今日は頭を冷やせよ」
「フフ、フフフ、そうね。それもよさそう。でも、あなたは誰にも渡さないわ!」
彼女は薄気味の悪い笑いの後、俺をつかんで、近くに引き寄せた。人間の状態では逆らうこともままならない。
「ぐっ、お前いったい何を・・・」
「私と一緒に消えましょう。あなたも私も無に還るのよ!」
彼女がそう叫ぶと、彼女の中から光が生まれ爆発した。ほぼゼロ距離だった俺はそれに巻き込まれ俺は吹き飛ばされた。体がバラバラになったら意識はすぐなくなるものかと思ったが、意外と続くもので、みんなの声も若干聞こえたが、やがていつもの気絶とは違う風に闇に落ちた。




