いろいろとお話してみた
次に目を覚ました場所はどうやら幻想郷の中だったようだ。
「気づいたかね?君は立ち上がらずに、私の質問に答えてくれれば結構。全部答えてくれたら君からの質問を許そう」
まだ意識がもうろうとする中で、先ほどの偉そうなのが声をかけてきた。ここで口答えすると殴られたりするパターンが多いので、おとなしくしていることにした。
「理解しているようだね。じゃあ、まず質問。君は廿楽遊助、だよね?」
「そうだぞ。早く全部聞いて俺から質問させてくれ」
「そうだね。まあ、君からしたらいろいろ聞きたいことだらけなんだろうけど、こっちはもっと忙しいんだよ。我慢してくれたまえ。じゃあ次、君は一度死んで、転生してるよね?」
死んでいた、ということになっているのを少し、いやだいぶ忘れていた。何億年前の話だったんだろうなぁ。
「一度死んで、そのあと妖怪に転生してさらに神になった、はず」
「なるほど、じゃあ君も質問したいみたいだし、次で最後にしよう。じゃあ、最後の質問。君からは我々はどう見える?」
俺についてのことを聞いてくるのかと思ったので拍子抜けだ。質問に答えるために相手をよく観察してみると、どうにも形がはっきりとしてない。声も中性的でつかみどころがない。
「影とかそんなところに見える。そもそも男、女どっちなんだ?」
それを聞くと影のような相手は徐々に形を変えていき、1分ほどで、人の形になった。偉そうなやつだったが、俺よりもちっちゃい女の子だった。そして偉そうな話し方だったのが、急に普通になって
「ごめんなさいね。私たちがあなたたちの言う外の世界から来たのにはいろいろ理由があるの」
と女の子らしい話し方をしてきた。
「理由は何であれお前ら里を襲ってただろ?死人とかけが人いなくてもなぁ。それにお前の話がまず本当かどうかわからないし」
「そうねぇ。証明はできないけど戻るまでは信じてもらうしかないわ」
「それで、俺にいったい何の用なんだ?それが一番聞きたいんだが」
そう問いかけると、少女は
「端的に言うとね・・・君がほしいの。でもほしいのは君の魂、みたいなものだけだからもう息しなくていいわよ」
と襲い掛かってきた。




