結局3人で寝ることになった
神社につくと、早苗が後ろを振り返った。
「なんだか、誰かに見られていたような気がしました」
「確かにな。でも、気配も消えたしただ見てるだけとしか感じられなかったから、大丈夫だろ」
後ろから誰かが見ていたが、誰なのかもわからなかったし、とりあえず無視しておこう。
「戻ったら晴明の様子を見とかないとな。たぶん大丈夫だとは思うが」
「もう、戻ったらすぐそれなんですから。でも、遊助さんに何かあったらいけないですから私が様子を見ておきます」
「いや、お前にまかせておくと何するかわからないからな。それによくよく考えたら俺が薬作れば解決だった」
2人で話しながら神社に戻り、結局2人で晴明のところに行った。
「遊助、帰ってきましたの?」
「ああ。今から薬作るからそれ飲めばたぶんよくなる」
「そうですの。やっぱりやさしいですわね」
ここで最初からそれをしなかったことを疑問に思わないあたり晴明は抜けているなと思う。醸造のようなことをその場でやってから、残った液体を晴明に飲ませると
「苦いですわね・・・でも、動けますわ」
飲み干した瞬間から晴明の顔色は良くなり、すぐに血色がよくなった。
「あっ、すぐ直りましたね。じゃあ、今日はもう帰ったほうがいいんじゃないですか?」
早苗はすっかり元気になった晴明を帰らせようとすぐにそういった。しかし晴明は帰る様子もなく、
「もう夜も遅いですし、今夜はここで寝ていきますわ。それでいいですわよね、遊助?」
「えっ、まあいいんじゃないか?慧音には明日俺からも言っておくから」
俺は久しぶりに晴明と寝てみたかった、と言ってもいかがわしいことではなく、単純に隣り合って寝たかったので、許した。しかし、早苗は
「え~、ダメですよ!私はここの巫女ですよ」
「でも、遊助の許可も得ていますから、問題ないですわ。さあ、もう寝ましょう」
晴明は両手を俺の腕に絡ませながらそういってきた。流石に早苗が気の毒なので一緒に寝ることにした。「俺と晴明と早苗で寝よう。それならいいだろ?」
「それなら、まだいいですけど・・・今回だけですからね!」
早苗はいちおう応じてくれた。
布団を3枚敷いて寝るはずだったのだが、なぜか1枚になり晴明と早苗が延々とお互いを蹴りあって朝を迎えることになった。俺の頭の真上でいろいろやっていたので、全然眠れなかった。




