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東方の世界に転生して頑張る的な話  作者: teyu
第2章 妖怪として生きる
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4度目の結婚、かな?

執筆のお供、コーラが切れてしまった!買いにいかないと

射命丸文と付き合い始めて早1年。文次郎の視線を結構いろんなところから感じたが、文は気にしていなかった。慣れっこなのだろう。勇儀の機嫌が悪くなることが多くなった。いつだったか俺に惚れたとか惚れてないとか言ってたけど、勇儀も文と同じなんだろうか。まああの呑兵衛の勇儀に限ってそんなことはないだろう。


修行もしなくなり勇儀の家の縁側で寝そべっていると、文が飛んできた。そして

「今日は遊助に見せたいものがあるの!」

「は?もう夕方じゃん。何しに行くんだよ」

と反対する俺を無視し、俺の手をつかんで飛び立った。

「なにすんだ、って速えええええぇぇ!落ちるから、落ちるから。降ろしてくれよー!」

妖怪とはいえ高さ数百メートルから落ちれば無事ではいられないであろう。それに加えて俺は高所恐怖症だ。観覧車で失神したことがあるという、自慢できない武勇伝を持つ。

「焦る遊助もいいわねー。じゃあ、ゆっくり飛ぶわ」

文がそういってスピードを緩めた。とはいっても高所恐怖症なんだから高いところにいる時点でもう駄目である。俺は半ば意識が飛んでいた。

「あばばばb・・・」

「しっかりして遊助!これで失神なんてしてたらダメだよ。見てほしいものがあるんだから」

と言われなんとか意識を保ち続けているうちに、文のいう目的地に着いた。

「ここは?」

「ここは、夕日がきれいな場所だよ。日が沈むまで時間がなかったから、急いだのよ」

「それで、ただこれを見せたかっただけなのか?」

と普通に聞くと、文は顔を赤らめ、

「もう、遊助は意地悪ね」

と言ってきた。

「俺はまじめに聞いてるんだけどな」

「なら鈍感なのかしら」

「で、用は何だ?」

文は俺の方をつかんでぐいっ、と引き寄せてきた。そして次の瞬間、2つの唇が重なった。

「遊助、私をもらってくれる?」

「ああ、もちろんだ」

妖怪とか関係なしに俺は文を愛していることを再認識した。

「結婚しよう、文」

「はい」

日が落ちていく中で、俺たちは永遠の愛を誓い合った。


結婚してからはさすがに勇儀の家にいるというわけにもいかないので、少し離れたところに俺と文の家を作った。勇儀、萃香、椛は何やら怒っているようだったが、聞くともっと機嫌が悪くなりそうだったのでやめておいた。だが別れ際に勇儀が、

「これからも一緒に呑まないか?」

と聞いてきたので、

「もちろん。また一緒に呑もう」

と答えた。文次郎がまたしても、しかも今度は憎しみとか怒りとかが一層強くなった目でこちらを見ていたが、俺が睨むと逃げて行った。

 家は里の人も作るのを手伝ってくれたので、2日ほどでできた。

「みなさんありがとうございます」

「なに、新婚さんだけ働かせるわけにはいかねえよ」

普通にうれしかった。村の人たちがちゃんと俺を仲間だと思っていてくれてうれしかった。


その日の夜。

「なあ、文。妖怪もやっぱり子供つくるときは、そういう行為をするのか?」

「は、恥ずかしいこと聞かないでよ。でもそうね、人間と同じよ」


そして朝になった。家を出ると、今度は勇儀がうらやましそうな目でこちらを見ていた。じっとこっちを見てくるので、

「どうした勇儀、なんかあったか?」

「その、文とはどうだった?」

「なんで知ってるんだよ。まあ、よかったよ」

「そ、そうか」

と言って立ち去ってしまった。何がしたかったんだろう。家に戻ると文が朝ごはんを作っていた。作るところを見るのは初めてだが、とても手際がいい。俺は創造で今までご飯を食べたり、他人に作ってもらったりしていたが、これを見て自分でも作りたくなってきた。でもとりあえず先に食べよう。今日も文と一緒にいるか。

書いてて勇儀が不憫に思えてきた

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