寺子屋に就職することにした
俺たちはそのあと日が沈みかけるころまで話していた。とはいっても後半は、幻想郷や里の世間話で俺にはよくわからなかったが。
「そうだ、今日持ってきた筍慧音の好きにしていいよ。竹林にはいくらでもあるし」
妹紅は籠を指さしながらそういった。慧音は俺を見て
「よかったら遊助もどうだ。私と生命だけでは食べきれないからな」
「おっ、それならもらっていくぞ。。料理してくれるやつもちゃんといるからな」
俺が加護に手を伸ばそうとすると、
「これをもらっていくなら、一つ頼みがある」
と慧音は言ってきた。
「なんだ?俺にできる範囲でなら引き受けるぞ」
「実はな、来週私は用事があるから授業ができないんだ。その代わりに遊助に先生を頼みたい」
「いいのか?俺は先生なんてやったことないんだが」
俺は他人に勉強なんてほとんど教えたこともないし、子供があまり好きではない。嫌いというよりは苦手だ。
「それは大丈夫だ。私が教える内容をまとめるからそれを使ってくれ」
内容が分かればなんとかなるかもしれない。晴明は
「まあ、私がいますから、何とかなりますわ。わからないことはなんでも私に聞いてください」
と俺を助けてくれるようだ。
「まあ、彼女も助けてくれるだろうからあったばかりで申し訳ないが頼むぞ」
「わかった、タケノコはもらってくぞ」
「さて、私もそろそろ家に帰るか」
こうして暗くならないうちに俺と妹紅は寺子屋を出た。竹林と妖怪の山の方向は逆なので、すぐに別れることになったが。
「あっ、そういえば今度うちに来てくれよな。タケノコ使った料理には自信があるんだ」
別れる直前、妹紅は俺にそんな誘いをしてきた。
「俺は暇だし、お前が良ければいつでも行けると思うぞ」
「そうか。私も筍と一緒に待ってるよ」
妹紅からあってすぐにこんな誘いを受けるとは。記憶が実は残ってたりするのだろうか、だがそれならそれを俺に確認しようとしたりするだろうからそれはないだろう




