妖怪と恋愛とか・・
妖々夢の咲夜さん使いやすいな
鬼とはいえ女である勇儀に泣かれてしまい、ここにいないといけないような感じになってしまった。だが、暮らしてみると案外居心地もいい。妖怪で身構えていたが、基本的には人間と同じものを食べている。酒なんかはとても人が飲めるような度数ではないが、食べ物は普通だった。ここをこのまま出て行っても、能力使えないから野宿になるだけだったし、これでよかったのかもしれない。
「おい、遊助。酒持ってこ~い」
「はいはい」
と毎日こんな感じで酒を飲まされているのが、唯一の難点だ。妖怪になって少し上部になったとはいえ、毎日二日酔いはつらい。それでも妖力はコントロールできるようにしなければいけないので、今日も練習をしていた。
「だいぶ上手になりましたね遊助さん。妖力抑えられてますよ」
「ありがとな、文、付き合ってくれて。でも警備の方はいかなくてもいいのか」
「い、いえ、別にいいんですよ。椛にやらせてますから」
「それは椛がかわいそうだろ。今度一緒に来いよ」
すると文は顔を赤くし、
「遊助さんと二人きりになれる時間は貴重なんですよ!」
二人きりってそんなに重要かな?英rん見たいに好きになったってわけはないだろうし・・・。
「まあ、そうだな。ありがとう文」
顔を赤らめながら話す文と俺の会話を岩陰から覗く怪しげな視線に俺はまだ気づいていなかった。
一か月たち最初は俺に警戒していた里の妖怪たちも俺に話しかけてくれるようになってきた。彼らには俺の素性はほとんど教えていない。知ったらここを追い出そうとするからだ。妖怪より異形の者なんておいておかないだろう。そんなことを考えながら練習を今日もしていた。
「もう完璧ですね遊助さん!無意識に近い状態で抑えられてますよ」
文は会うたびに俺をほめてくれる。椛も同じだ。二人は日替わりでここに来てくれる。最近は勇儀も顔を出すようになった。だいぶ酔っているのだが。
「まあ、抑えられているから、みんなが俺に話しかけてくるんだろうな。もう大丈夫ってことだろう」
そんな何気ない会話をしていると、岩陰から一人の男が出てきた。少し太り気味の男は文と俺の顔を交互に見ながら最後に文の方を向いて、
「どうしてこんな奴と一緒にいるんだ!こんなよそ者と!」
とはなった。
「文、こいつ誰?」
俺は聞いた。村の人とは大体あっているのだが、こいつとは会っていない。
「彼は宇野文次郎よ。私にいつも近づこうとしてくるのよ」
ああ、つまりストーカーか。哀れな奴だな。すると今度は俺の方に向かってきた。
「文に近づくやつは死ねええぇぇぇ!」
、とこぶしを振り上げながら向かってきた、と思った時にはもう遅く俺の方に当たり向こうの壁まで飛ばされた。
「遊助!」
文が叫ぶ後ろで、文次郎がニヤニヤしながら、
「文、悪いやつは追い払ったよ。僕たち二人とも名前に文があるだろ。だから僕たちは結ばれる運命なんだよ」
とかわけわからないことを言っている。頭おかしいな、そんなに文がいいのか。
「いやよ、遊助おきて!」
「ああ、俺は大丈夫だ」
痛かったが、俺には意味がない。すでに治っている。
「な、そんな馬鹿な!?渾身の一撃だったのに!」
「ならもっと修行してこい」
一気に間合いを詰め俺は鳩尾に一発叩き込んだ。
「ぐあっ」
奴は倒れこんだ。
「ありがとう遊助」
「どういたしまして、文。さん抜いて話してくれたな」
「えっ、これは違うの、あなたが好きとかそういうのじゃなくて・・その・・」
ん?好きだぁ?またありえないことが起こりましたよ。今度の相手は妖怪ですか。まあ、来る者は拒まずだけどな。
「その、遊助。私あなたが好きなの、付き合わない、練習以外の時間も一緒にいたいの」
「ああ、いいよ」
俺はOKを出した。こうして俺たちは付き合うことになった。
文次郎、かわいそうな子