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東方の世界に転生して頑張る的な話  作者: teyu
第2章 妖怪として生きる
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二本角の鬼

 そんなこんなで妖力は妖怪への憎しみでコントロールができなかったようだ。あの文の目を見て取り敢えずおさめることはできたのだが、程度の能力はいまだ使えるようには戻っていないので、今日も練習をしていた。


昼時に休憩をしていると、勇儀が、

「会せたいやつがいるんだが、これから少し向こうの家までいかんか?」

「ああ、いいぞ」

今日はこのくらいでいいだろう。俺は勇儀と一緒に、その家に行くことになった。

「それで、その会わせたい奴ってのは、どんな奴なんだ?」

「私と同じ鬼さ。ただし角の数は違うけどね」

これはやはり、あの鬼ではないだろうか。


家の前まで来てそれは確信に変わった。表札が伊吹だったのだ。

「萃香ー、いるかー?」

する遠くの方から、

「勇儀かい?いるよー」

と返ってきた。

「じゃあお邪魔させてもらうよ」

と勇儀が上がり、俺もそれに続いた。土間まで行くと、二本の角のある幼児体型の鬼が寝転がっていた。

「おっ、勇儀、とこちらさんは誰なんだい?」

「ああ、こいつか。こいつは廿楽遊助、この前ここに来た元人間だ」

「へえ~、あの新しい住人かい。お前か、あたしは伊吹萃香だ。よろしくな遊助」

「こちらこそよろしく、萃香」

とあいさつはした。しかし何の用なんだろうか。俺まで連れてきて、こいつは何を知ってるんだろうか。

「それで、勇儀こいつをなんだってここに連れてきたんだい?お前を大怪我させたってのは知ってるが」

「そのことでだ、こいつは並の妖怪とは比較にならない妖力を持っている。今は大丈夫でもこのことがいずれ皆に伝われば、こいつはここにいられなくなる」

「ふ~ん、つまり勇儀、お前はこの男に惚れたってわけだ」

すると急に勇儀は顔を赤くして、

「ば、ばかか萃香!私にそんなことがあるわけないだろう!」

惚れられちゃったんですね俺は。そもそも何でここに住むことが前提になってるんだ?

「おい、勇儀勘違いするな。俺は妖力の使い方を教わったらすぐにここを出ていくぞ。住む気はない」

すると勇儀が急にしょぼんとした。

「なあ、でも飯と寝床はあるんだぞ?どうして?」

「やっぱり妖怪が嫌いだからだ」

即答した。だってそれしか理由がないから。すると今度は泣き出した。

「ひぐっ、、、うえっぐ、、そんな~いてよ~。いないと酒飲む相手がいないんだよ~」こうなると俺が悪いように見えてしまう。ニヤニヤしている萃香に恨みを持ちつつ

「わかったよ勇儀、住んでやるから。泣くな泣くな」

となだめる羽目になってしまった。

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