家に女子を呼び込む努力
「そういえば、さっきの女の人はメリーのお母さんなんだよね?なんで、遊助にだけに話したの?」
「さ、さあな。まあ、メリーの面倒を見てやってくれって言われたぞ」
いつもの蓮子の怪しむ動作もだいぶ慣れてきた。しかし、束縛されてる感じなので、ちょっと控えてほしい。
「まあいいじゃない。でも、私もお母さんと話したかったなー」
「でも、あの女性、どうも人間のようには感じませんでしたが」
「そんなことはどうでもいいんだよ、早苗。メリーに特別な目が備わってるのも、親がちょっと変わってるならそんなに不思議なことじゃないだろ」
メリーが紫のコピーであるということをみんなに伝えるか心の中で迷ったが、今はやはりやめておこう。メリーもいろいろ悩んじゃいそうだからな。と話しているうちに、全員コーヒーを飲み終わり、店に入ってからかれこれ2時間ほど建っているようだった。
「そろそろ出るか。でも、いまさら構内に入るわけにはいかないし、どっか遊びに行く気にもならないんだが、どうする?」
「そうねえ・・・あ、遊助の家って言うのはどうかしら?早苗もいいわよね?」
「遊助さんがよろしいのでしたら、私も構いません」
「俺も別にいいぞ。まあコーラぐらいしかないけどな」
「適当なこと言わないでください!ちゃんと食べ物もありますよ」
まあ実際、冷蔵庫の中の7割くらいはコーラのボトルだったりするんだが。早苗からいつも健康がどうこうと言われているが、不老不死には関係ない。
「スキマ使えばすぐだけど、どうする?歩いても10分くらいなんだが」
最近、隙間に頼ってきてばかりだったのが、急に歩きたいと思うようになってきた。便利なものも数千年単位で使うと飽きるような気がする。
「でも、今日は疲れたから、スキマで。あと寝たい」
「蓮子、人の家にせっかく入れてもらって寝るって何考えてるのよ」
「いいよ、別に。ゆっくりしてけばいいんじゃないか」
「雄介はわかってるねぇ。でも無防備な女史を襲ったりしたらダメだよ?」
蓮子はにやにやしながら俺に言ってきた。俺の反応というよりも周りを見て楽しんでいるようであったが。
「まあ、そこは私とメリーさんがいるので大丈夫だと思います。遊助さんも、そんなことしたら・・・」
早苗も、俺が襲うことのないようにと、威圧してきた。俺はそんなことするような男じゃないんだがなぁ。
「わかってる、わかってるから!そんな怖い目で見るな」
「わかってるならいいんです。さぁ、行きましょう」
早苗にも促され、俺はスキマを開き、そこにみんながぞろぞろと入って行った。そして最後に俺が入りスキマを閉じた。




