普通にばれました
男子校だから、こんなシチュエーションになる可能性はない。
ホモじゃないからね!
部屋で待つこと1時間ほど、早苗が戻ってきたようだ。
「お母さん、ただいまー」
「早苗、帰ってきたのね。遊助さんは2階にいるから」
と下で母親と話しているようだ。話声が止んですこししたあと、早苗が俺の部屋に入ってきた。
「ただいまです、遊助さん。すごい疲れました・・・」
「まあ、お疲れさん。あれに関しては俺はフォローできないんだ」
「いえ、いいんです。みなさん、悪い方々ではなさそうでしたし」
早苗的にはあいつらは悪い人ではないという。なら、なんで俺を今まで攻撃してきたんだ。
「そういえば、母が夕飯を食べようといっていました。私のこと待っててくれてありがとうございます」
そういえば夕飯も早苗が帰ってくるまで待ってたんだった。
「じゃあ、下に行くか」
「はい」
二人で今に降りていくと、早苗母がすでに準備していた。
「すこしの間だったけど、お楽しみになりました?」
早苗母がかなりストレートな質問をぶつけてきて、面食らった。早苗は、この手の話をされると、すぐに顔を赤くする。純粋だなぁ。
「わたしは、その・・・とりあえず食べましょう!」
黙りこんだりして、結局話をそらそうとしたようだ。バレバレなのだが。しかし、これ以上聞いてさらに恥をかかせてもいいことはないので、そのまま食事を始めた。そして、その後就寝、なぜかまた早苗が俺の部屋に入ってきて一緒に寝ることになった。
翌日、俺はいつもより起きるのが少し遅く、早苗はすでにいなかった。というか、さっきから上半身の風の通りがいいような気がする。
「なんか、妙に涼しいな、ってなんでボタンが全部外れてるんだ?」
見ると、ボタンはすべてはずれ、俺は袖を通しただけの状態になっていた。
「まあ、いいや。きっと寝ぼけてたんだろう」
その時俺は深く考えることなく、制服に着替えた。
俺が着替え終わったころに、早苗は朝のお勤めが終わり、戻ってきた。
「あっ、遊助さん。今日は遅かったですね」
「そうだな。なんか今日寝巻の上のボタンが全部外れてたんだよな、寝ぼけたてたんだろうか」
早苗は、それを聞くと顔を赤くして、うつむいてしまっている。なんか知っているんだろうか。
「ととと、とりあえず朝ご飯食べませんか?もう学校に行かないと」
「あ、そうだったな。食べないと」
そこで話はうやむやになった。いったい何を隠したかったのやら。
朝ご飯を食べて、2人で家を出た。
「遊助さん、手、つなぎませんか?」
「どうしたんだ急に?まあ、いいけど」
早苗に急に促され、手をつないだが、彼女の手は温かい。と言ってもまだ夏でもあるので、余計なのだが。その時は、後ろにいる人の気配を全く気にしていなかった。
学校について、教室に入ると、みんなの視線が俺たちに注がれた。いつもとはちょっと違うようだ。
「おい、廿楽。これはどういうことだ」
「これってなんだよ?」
「裏切り者め!この写真を見てもまだごまかせるか!」
悪友が出したなかには、俺と早苗が玄関を出てきたときの写真や、手をつないでいる所の写真があった。いつかばれそうだと思っていたが、こうも簡単にばれるとは。
雪よ降れ、そして学校を休みにしたまえ




