邪魔者がいた
日誌なるものを書かされているため、早めに仕上げた
その日のうちはなにどともなく終わった。いろんな奴から疑いの視線を向けられていたが、ポーカーフェイスでやり過ごした。そして少し学校で時間をおいてから早苗と帰るという手法をとった。流石に待ち伏せする奴はいないだろう。そう思って校門を出ると、悪友二人といつも毛嫌いしているオタクキモいとか言っていた同じクラスの女子がいた。
「廿楽ぁ~、一緒に帰ろうぜ。待ったんだよ」
悪友二人がいつになく俺と帰ろうとしている。女子のほうは
「東風谷さーん、一緒に帰りましょう。私たち帰る方向が同じよね?」
と早苗にくっついている。もしかすると、この悪友どもは早苗と俺を離れさせるために女子と手を組んだのか。敵と手を組むなんてなにを考えているんだか。
「廿楽、お前東風谷さんと一緒に帰るみたいだけど、東風谷さんはあの通り今からあいつらと遊びに行くらしいぜ。だから俺たちは俺たちで帰ろう」
「俺たちのこと散々攻撃してきたやつと手を組むなんて、数学ができないどころか、脳がやられたか」
「うるせえ!お前に女が、しかも東風谷さんなんて、認められるか!」
嫉妬とは醜い。まあ、これも余裕があるからかもしれない、俺もそう言う時期があった。
「まあ、別にいいけどな。早苗は断らないみたいだし」
早苗はあまり強気に出る正確ではないので、苦笑いをしながら女子どもと、どこかに行った。
「早苗って、お前やっぱり・・・」
「どっちでもいい。お前がどう思うかはお前の勝手だ」
「くそっ!夏休みが明けたと思ったら急に大人ぶりやがって」
実際心は成長してるんだよ。生きすぎていろいろ悟っているような気がしないでもない。
悪友どもと自分の家に帰ってはおいた。まあ、すぐにスキマで神社に行くから関係ないのだが。スキマで戻ると、そこには誰もいなかった。早苗は女子につかまって、まあいろいろ付き合わされているのだろう。
「7時が8時過ぎに帰ってきそうだな。先に家で待っておくか」
神社脇の建物に入ると、早苗のお母さんが出迎えてくれた。
「あら、遊助さん。早苗はどうしたのかしら?てっきり一緒に帰ってくるものと」
「なんか、ほかの女子と遊びに行きましたよ。俺も友達に呼び止められて」
早苗が帰ってきたらなんか怒ったりする気がする。あそこは無理にでも振り切るべきだったか。
「あらあら、それなら仕方がないわね。夕飯は早苗を待つ?」
「もちろん、待ちますよ」
その言葉に、早苗のお母さんは
「2人とも優しくていい夫婦になりそうね。孫、楽しみにしてます」
おいおい、いくらなんでも気が早すぎるだろと思いながら、早苗を待つため、2階に上がった。
何のための回だったのかよくわからない
 




