本当に箒を掃くくらいしかない
書くことがない件
早苗に看板娘をやってもらうことになってもらったが、俺が特に何もできない。能力はいろいろあるが、人集めに使えそうなのがない。スキマでさらうわけにもいかないからなぁ。早苗は立っているだけで、人がどんどん来ている。見ていると9割男、それも頭の禿げかかったおじさんだったりするのだが、早苗は嫌な顔一つしない。やっぱり優しい。
「はい、ありがとうございます!あなたに幸せが訪れるように私も願っています」
たぶんお世辞とかではなく本心なのだろう。こんな素直な奴になりたかった・・・。
「遊助さん、私の母が帰ってきたらもうお休みしてて構いませんよ。私は看板娘ですが、遊助さんは看板男です、女性の参拝客の方々は遊助さんに目が行ってましたよ」
そうなのか。というか女の参拝客いたっけか?不細工だったら嫁あんなにいないはずだから、それなりだとは思っている。とか、いってひたすら箒を掃き続けていると声をかけられた。
「あなたが、早苗のお友達かしら?」
「確かにそうだけど、あんたは?」
「妖怪を連れてくるなんて何を考えているのかと思ったけど、まともなようね。私は早苗の母です。仲良くしてあげてね、妖怪さん」
早苗母が存在しているとは思ってもいなかった。人だからいて当たり前だけど、設定にそういうのがいなかったから、全然考えたこともなかった。
「あ、お母さん。帰ってきたの?遊助さん、もう休んでもらって結構です。私も後で行きますので」
早苗にそういわれ、俺は先程の家らしき場所に戻って行った。事務所っぽいのだが、家族が住むためか、広い。しかし昭和っぽく卓袱台がおいてあり、せんべいもあったので、それでもかじって待っていた。
1時間後、早苗と早苗母が戻ってきた。俺は退屈だとも思わなかったが、
「すみません遊助さん、お待たせしました」
と謝られた。謝ることでもないのに。
「今お茶いれるから待っててね」
早苗母が台所へ行き、早苗と二人きりになった。
「今日はありがとうございます。お勉強大変なのに付き合っていただいて」
「暇だし、勉強簡単になったなと思ったからこれからも呼んでくれていいぞ」
それは永琳のそばにいたことが大きいのだが、それを説明しても今は意味がない。
「あら、二人ともいい感じじゃない。早苗、彼をお婿さんにしてもいいのよ」
早苗母の爆弾発言に俺は声を出さずに驚いていたが、早苗は顔を真っ赤にして、
「お母さん、そんなの急に言わないでよ!わ、わたしまだそんなこと考えても・・・」
言い訳するが、はた目から見ても説得力がない。
「遊助君もいつでも来てくれていいのよ。早苗は否定するけど、うれしいのよ」
「顔見ればわかりますよ」
「もうーーっ!!二人して私をそんなにいじらないでよぉーーー」
早苗の叫び声が神社の周りに響いたのだった。
ドグラ・マグラを読んでこれからこの小説が変わるんだろうか。




