永い眠り
いつもよりだいぶ短いです
うあっ、超痛い。何が起きたんだろうか。そもそもここはどこだ。あれからどのくらい時間がたったんだ?痛む体に鞭打って何とか起き上がるとそこには大きなクレーターができていた。
「うそ・・・だろ?」
隕石が落ちてきたのか。あれ今日ってここに来てから何千年目だ?もっとも正確と言われる時計を出してみてみると、壊れていた。
「でもこれってあの恐竜を絶滅させた隕石じゃないのか?」
よく見るとクレーターの周囲の森も消えている。これはもしかしたらそうなのかもしれない。そうだとすると、人らしきものが生まれるまで、6千万年以上一人で待たなければいけないことになる。流石にそれは無理だろう。しかも能力も使えないようだ。
「畜生、なんでだよっ」
その時空から声が聞こえた。
「どうも、おこまりのようですね」
「あっ、おまえは!」
「どうも私です」
そう答えたのはいつもの奴だった。
「今日はどうしたんですか。いつになく困っているようですが?」
「程度の能力が使えなくなった」
簡潔に伝えた。
「ああ、それは妖力を操れていないからですよ。それは私にはどうしようもできないんです。ごめんなさい」
「いや、いいんだ。いつも世話になっているのは俺だし」
すると、奴はふっ、と笑うと
「あなたはどうするんですか、これから?一人で過ごす気ではないでしょう?」
一人では過ごしたくないな。
「じゃあ、寝たいんだけど。6千万年ぐらい」
「ほお、それは何故ですか」
聞いてきた。あたりまえだろうな。
「人が生まれるのを待つんだよ」
「そうですか、でも妖怪ならもう少し早く生まれますよ」
妖怪、もう奴らには憎しみしか感じられない。姫路を殺した奴らと一緒にいるなんて、絶対に嫌だ。
「じゃあ、あなたにはしばらく寝てもらいまーす」
何言ってるんだコイツは?俺は了承した覚えはないぞ。
「じゃあ、お休みなさーい」
奴がそういったのと同時に体が重くなってきた。そしてそのまま抗うこともなく、俺は永い眠りについた。
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