蛙と蛇に大きな変わりはなかったようです
日本三大奇書なるものが面白そう
本殿に入ってみると、いつも近くで見てみたいなと思っていた、神社の奥という感じだった。俺はそういうのが好きだったので、これだけでも十分な気もしたが、一応2人には会っておこう。
「お二人とも信仰が集まらないので、本殿の中でしか姿が維持できないんですよ」
本殿のほうで、雑談をしている2つの影が現れた。
「諏訪子様、神奈子様。この人が私のお伝えしました人です」
早苗が一礼すると、2人は俺に視線を移し、
「お前がその妖怪か。だ、だいぶつ、つよそうじゃないか・・・」
と神奈子が先にあいさつをしてきた。声が震えてるし、足がガクガクしてるけど大丈夫か。
「神奈子、怖がってたら神様つとまらないよ、私は洩矢諏訪子、早苗の学校の友達なんでしょ?仲良くしてあげてね」
「どうも、俺は廿楽遊助。長く妖怪とかをやってた。洩矢の国とか行ったことあるぞ」
「おお、昔のことが話せる人がいなかったけど、やっぱ会えるもんだね」
諏訪子が感心していると、神奈子が
「で、早苗。お前はどうしてこの男を連れてきた?」
早苗は俺をちらっと見てから
「この人に信仰集めを手伝ってもらおうと思って」
突然よくわからないことを言われてしまった。信仰を集めるってなんだ?どうやるんだ?というものしか頭に浮かばなかった。
「妖怪に信仰集めを頼むなんて特別な考えでもあるのかい、早苗?」
「いえ、でもこの人は悪いようには見えないので頼めばやってくれると思って」
早苗は一人で話を進めているが、俺は信仰集めなるものがどういうものなのかわからないので、あんまりやるきにはなっていない。
「お願いします。信仰集め手伝っていただけませんか?」
やる気ではなかったが、やっぱり早苗に見つめられたら断れなくなってしまった。みんなが覚えていたら浮気とか言われて、怒られるんだろうなぁ、と思いつつもそれはもう過去の話であると今は少し忘れておく。
「まあ、別にかまわないぞ。で、何をしてその信仰とやらを集めるんだ?」
「この神社に限らず諏訪大社やそのほかの分社で信者を獲得することです。最近はほかの宗教や、そもそも神を信じない人が増えてきてしまって信仰が集まらないんです」
「なるほどね。信者ってお賽銭だけとかでもいいのか?」
「大丈夫ですよ」
その時俺はさっそくひらめいた。早苗はかわいいから普通に行けるそうだ。
「俺もいろいろやるけどさ、早苗が普通に巫女服着て神社にいればいいんじゃないか?それで男はみんなここに来ると思うぞ」
「確かに、早苗は美しいからそういうこともできそうだな」
「えっ、えっーーーー!?そんなの恥ずかしいですよぉ」
早苗はまさか自分を看板娘として前面に押し出すとは思ってなかったようだ。
「そんなこと言ったって、早苗がいないと私たち2人は信仰が集まらなくて困っちゃうな~」
諏訪子が少し意地悪なことを言ったが、早苗はそれを言われると逆らえないようで、
「諏訪子様、恥ずかしいですが精一杯やらせていただきます!」
と応じた。早苗に看板娘やってもらうなら俺も何か考えないといけないな。
「あんたは普通に箒はいてればいいよ。やれることなさそうだし」
諏訪子が俺にかなり失礼なことを言ってきた。まあ、信仰とか集め方よくわかんなかったから実際何もできないんだが。じゃあ、まずは箒持ってくるか。
タイトルあんまり関係なかったような気がしないでもない




