何事にも永遠はないもの
嫁一人一人とのイチャイチャ回が書けなかった
慧音の家から自宅へ戻ると、やはり紫が待ち構えていた。
「私たちに忘れさせようなんてなめたことしてくれるわね。そんなことされたら悲しくなるじゃない」
「でも、俺がいなくなったらお前悲しいだろ?」
「当たり前よ。でも消える前提で話をしないで。私はそんなに強くないの」
紫にも弱いところはあるよな。でも、忘れたほうがいいと思うこともあるだろう。みんな美人で性格がいいとは全員言い切れないが、俺以外にでも相手を見つけられるだろう。次にいつ会えるかもわからない、2度と会えないかもしれない俺を待ち続けるようなことはしてほしくない。
「お前らの気持ちはわかるけど、それだと俺が納得できないんだ。忘れてほしくないけど、忘れてほしいんだ」
「あなたがそういうのなら好きにすればいいけど、私は忘れないわ。彼女の能力は私みたいな長生きしてるのには通じないからね」
紫はそういってスキマでどこかに言ってしまった。
「言っちゃったか・・・」
「なら、私にも話すことがあるんじゃないの?」
そういって出てきたのは永琳だった。
「聞いてたのか」
「その前から、あなたの様子がおかしいとは思ってたわ。記憶を消すなんて馬鹿なことを考えるのはよしなさい」
「お前には無理そうだし、ほかのみんなも難しそうだな」
永琳はそうね、と相槌を打ってから
「何事にも永遠はないわ。あなたとずっと一緒にいることも、ここが存在し続けることも、私が生きていることも」
「お前は永遠の命じゃないのか?」
「命は永遠だけど、いつか私の魂が壊れるんでしょうね。永遠に耐えきれなくなって」
月の頭脳はそこまで考えているのか。一応俺も永遠の命なんだが、そんなことは考えたこともない。
「だからね、あなたと一緒に過ごせる時間は永遠ではないと思っているわ」
「わかっているならそれで「だからこそ今いてほしいの」・・・そうか」
滅多に泣かない、いや俺の前で泣いたことなどほとんどない永琳が大粒の涙をこぼしながら、
「永遠の終わりが今来るなんて、ダメよ!そんなの、認められないわ」
と叫んだ。さすがにこの声で全員に気付かれてしまったようだ。みんなが集まってきて事情を説明することになってしまった。
「私たちを思ってのことかもしれないけど、そんなことしちゃだめよ」
「私より上位の神で、どの神話にも属さないなんて、面白いのが出てきたものね」
「遊助も災難だね。どうしたもんか」
嫁たちは全員俺の記憶をどうこうということについて反対した。ある意味俺はこれを期待してこの考えを実行しようとしたのかもしれない。
「でも、このままではだめですわ。遊助を渡さないためにも、ここは抵抗しなければ」
変わらず好戦的な晴明の言葉にみんなは共感しているようだ。しかしそれは無意味だ。紫は冷静に、
「まだ出ていくと決まったわけじゃないんだから、彼と交渉をしてみましょう。それがダメなら・・・」
「戦うしかないのね」
俺は彼女たちが戦うことを望んでいなはずなのに、どういうわけだかうれしかった。
永遠なものって本当にない




