神子はどうも救世主をやりたいらしい
体育で走らされ過ぎて足がいたい
神子を連れて里に来てみた。いつも通りに平和な感じである。
「で、なんでここに来たんだ」
「聞こえるわ。みんなの雑念が」
「は?何のことだ神子」
神子が少し錯乱してしまったようだ。昔から耳はよかったがそんな能力あったような気もするが、流石に心は読めないだろう。
「あの里には悩みを抱えている人たちが大勢いるわ。これよ、私はこれを待っていたのよ!」
「神子様、いったいどのようなことなのですか。遊助、説明しておくれ」
神子が変なことを言いだしたことに、さすがの布都も戸惑っていた。
「とにかく里まで言ってまずは説法よ。3人ともついてきなさい」
俺、布都、青娥は神子の謎のやる気によくわからないままついて行った。
「ほんとに俺たちの悩みの原因がわかるんですかい?」
「ええそうよ。あなたたちは結局のところ煩悩が多くて、和を貴ぶ心を忘れているのよ。奥さんに優しくすれば、あなたにも優しさは帰ってくるわ」
言ってしまえば当たり前のことなのだが、里の人は納得したらしい。
「なんかこの人に言われると納得するな」
「俺たちが一斉に喋ったのに、全部聞きわけた。この方は聖人だ!」
と神子はすっかり崇められるようになっていた。その騒ぎに慧音がやってきた。
「遊助じゃないか。これは行ったいなんの騒ぎだ?」
「なんかうちの嫁がやってるんだ。まあなんも起きないはずだから」
「そうか。こんなにみんなの心をとらえるのなら私も話を聞きたくなってきたな」
慧音まで、神子のところへ行ってしまった。恐ろしいカリスマをお持ちである。道教はかなり簡単に布教できるよな気がする。
「じゃあ、私たちはお店を回るので、太子様を頼みます」
「了解」
青娥と布都は甘味処を探すとか言って大通りの方へ消えて行った。まあ神子も基本的には俺がいなくても問題ないだろうが、もしもの時のためだ。
2時間ほど道で教えを説いて神子は満足したようだ。
「遊助、帰りましょう。これから毎週ここに来ることにしたわ、そうすればもっと教えが広まるし、みんなの悩みもいい方向へ向かわせることができるわ」
「あ、青娥と布都は向こうへ行ったから呼び戻してくるか?」
俺が効くと神子は、
「ダメよ。たまには二人きりの時間も欲しいわ、夜もね」
「お前にも煩悩あるじゃんか」
「仕方ないわ。心はまだ若いのよ」
そしてスキマですぐ帰ったが、その後青娥は俺を待っていたらしく、半ギレで帰ってきた。布都に至っては、帰り方もわからず、里にずっといたので、俺が探しに行った。
青娥はエロネタで書く数日後の自分が見えた




