赤い霧の吸血鬼
寝落ちしてました。すみませんでした
急いで城の中に入った俺は、様子がおかしいことにすぐに気が付いた。誰もいないのだ。そのかわりに人の気配が集中している中庭の方では、すでに儀式が始まっていた。中心にヴラド、そしてレミィとフラン。そしてその周りを魔法使いどもが囲んでいるといった具合だ。術を詠唱している声がこちらまで聞こえてくる。2人にはすでに術の影響なのか、それとも恐怖のか、悶えていた、すぐ止めに行かなければ。
中庭まで出ていくと、衛兵どもがすぐに俺の前に立ちふさがった。いつもは手加減しているが、今回は時間がないのですぐに衝撃波で全員弾き飛ばした。ほんとに加減してないから、骨にひびとかは言ってるかもしれないが、そんなことより2人だ。
「さぅさとそれをやめろ。2人を離すんだ」
そう声をかけると、魔法を詠唱している奴ら以外の魔法使いがこちらに向かって攻撃を仕掛けてきた。この前の雑魚かと思いきや強そうな感じである。
「今更来たところでもう遅い!儀式はもう止まらんよ」
「無理やりにでも止めるさ。エイッ!」
手遅れだろうが何だろうが、知ったことか。絶対に止める。
「うぐえっ」
「ぐはっ」
「あべし」
なんか聞き覚えある感じだったが、取り敢えず全員倒した。
「さて、さっさと止めないと」
「まてっ!こんな大がかりな術を中断したら魔力がどこに向かうのかわからない。ここにいる全員が死ぬかもしれないんだ」
「そんなこと知るか。放っておいたら2人が死ぬんだから、どちらにしろ止めるさ」
俺が霊力とか魔力とか取り敢えずいろいろ乗っけたあったたら痛そうなのを魔法を詠唱している一人に向かって撃った。
「うぎゃっ」
相手は数メートル吹き飛ばされて気絶した。しかし、その瞬間魔方陣の色が急に変わった。
「ほら、言わんこっちゃない。とにかく俺は逃げるよ」
あの魔法使いは仲間を置いて逃げて行ってしまった。なかなか下衆だな。
「レミィ、フラン、大丈夫か!?」
「お兄ちゃん?これどうなってるの」
「今助けるぞ、じっとしてろ」
俺が魔法人の中に足を踏み入れたとき、またしても魔方陣の色が変わった。今度は赤だ。そしてあたりはまぶしい光に包まれた。
次に目を覚ますと、空が赤かった。空そのものが赤いというよりは霧か雲に覆われているようだ。
「レミィ、フラン、大丈夫か?」
レミィとフランはまだ生きているようだった。ヴラドはというと、
「なぜだ?どうして吸血鬼になっていない!?」
「俺が止めたからだ」
「貴様ぁーっ!」
奴が怒って剣を振りかざしてきたが、膝蹴りで黙らせた。
「レミィ、何ともないか?」
「遊助、大丈夫よ。でも、不思議。なんだかとっても喉が渇くの」
レミィの後ろには羽根がついていた。フランの方にもいびつな羽が生えていた。
「お前ら、吸血鬼になったのか」
「生きているだけいいよ、ありがとうお兄ちゃん」
とはいっても2人はもう普通には生きられない。
「二人とも、ここと違う世界に来ないか?」
「え?どういうこと?」
「こことは別に、魔法使いとか、妖怪とか人間以外のいろんな種族が共存できている場所だ」
「行ってみたい!」
レミリアがすぐに興味を示した。続いてフランも行くといった。
「じゃあ、すぐに行くぞ。向こうに食べ物とかはちゃんとあるからな」
と俺がスキマを開いて、目を離したすきに、
「その力・・・私が手にいれるはずだった。よこせやぁー!」
ヴラドが起きて2人に切りかかってきた。
「いやっ!」
しかしフランが手を薙ぐと、奴は跡形もなく消されてしまった。
「大丈夫か、2人とも?」
「私は大丈夫。とにかくここにはもう居たくない」
「そうだな」
俺がスキマを開き3人で幻想郷へ向かっていった。
急にテンポが速くなった気がする




