人ならざる者
丁度いいところで区切れず、申し訳ありません
「心配だわ」
永琳は自分しかいない家でそうつぶやいた。遊助は、子供が好きだ。うちになかなか子供が生まれないのは、彼が能力を何とかとか言っていたが思い出せない。いないからほかの家の子供には優しい。ただやさしいだけなら問題ないのだが、時折風呂にも一緒に入っているとも聞いた。もしかしたらロリコンなのでは、ずっとそう思い続けてきた。
「はあ、心配だわ」
つぶやかれた懸念を聞くものは誰もいなかった
俺はいつも子供たちと風呂に入っているが、今回はやばいと思った。永琳と風呂に入った時よりも危ない気がした。依姫はそうでもないのだが、豊姫はなんか考えていそうで怖い。誘うというのもまた怖い。
二人が風呂から上がってきた。パジャマに着替えていて、もう寝るようだ。
「じゃあ、俺こっちで寝るから」
「うんいいよ、おやすみ~」
「おやすみなさい、遊助さん」
豊姫と依姫は寝ていった。考えすぎたか、以下に永琳の教え子と言っても所詮は子供、あまり深く考えない方がよかったかもしれない。そう思うと、急に眠くなっていった。
次に目を覚ますと、天井が少し違った。また腕ににしがみつくものがあった。二つだ。
「遊助、おはよう」
豊姫が怪しげな笑みを浮かべながら挨拶してきた。
「お、おう豊姫、でもおはようにはまだだいぶ早いから、もうちょい寝ないか?」
「ダメよ、今夜は私と依姫二人の相手を朝までしてもらうんだから」
しまった、図られた!まさかこういう手で来るとは、永琳よりも頭いいかもしれない。しかも朝まで相手してもらうって、まさかアレをする気じゃ・・・
「お話しましょ」
え?あれじゃない。よかった、もしやってたら俺姫路に殺されてた。
「じゃあ、質問ね。あなたどうして永琳様の護衛をやってるの?」
「ん、それは俺が永琳がていてでそれで、護衛に俺を選んだからだ」
豊姫は納得したようだ。依姫は剣について聞いてきた。
「どうしたら強くなれるでしょうか?」
「難しいね、まあ最初は方だけを意識して振り続けろ。ある程度より後は才能もあるんだが、お前は今まで見てきた中で一番才能がある。お前ならきっとできるぞ」
二人の質問を交互に聞いているうちに朝が来た。と言っても二人は夜明け前に力尽きてしまったが。やはり疲れてたんだな、と思っていると、姫路が返ってきた。
「お帰り姫路」
「ああどうも、遊助、二人は?」
「寝てるよ、夜明けぐらいまで、ずっと俺に質問してきた」
「ああ、やっぱり、二人ともお前に会うのすごく楽しみにしてたからな。聞きたいことたくさんあったんだろう」
「そうか」
「これからも稽古頼むよ。豊姫はほかのことができると思うから」
「さて永琳を待たせるとあれだから、帰るわ。泊めてくれてありがとう、姫路」
「いやいや、こちらこそ二人の相手をしてくれてありがとう」
家に帰る途中、またあの黒い感覚が襲ってきた。
「がっ、あっ、ぐ・・・!」
いつもとは違った。いつもは痛みだけなのだが、今度は腕が、変な形になっていた。そして腕らしい形になった時、その腕は自分の腕ではなかった。異形の腕だった。それはこの前倒した記憶のある鬼の腕とよく似ていた。
「な?ウソだろ?」
まさかここまで進んでいたとは。やはり永琳と一緒にsy五swる時間もそ長くないのかもしれない。俺は痛む体を引きずりながら、家に向かった。
幸いにも家に着くころに腕は元に戻っていた。しかし体を疲労感が襲う
「ただいま、永琳」
「お帰り遊助・・ってどうしたの?顔色悪いわよ」
永琳に感づかれてはいけない。なるべく元気そうにしなければ。
「ああ、何でもないよ。ただ少し寝冷えしちゃって」
「そう、あなたが体調悪いなんて珍しいわね、とりあえず薬飲んで」
「ああ、ありがとう。俺少し寝るよ。相手してやれなくてごめんな」
「い、いいわよ、私寂しがり屋じゃないんだから」
会話はできたが、やはり疲労が重くのしかかる。ベッドに倒れこむなりイシイ気が闇に落ちていった。
「ん、ここは・・・」
ここには見覚えがある、俺がこの世界に来た時にいた場所だ。
「お目覚めですか、遊助さん」
声のした方を向くとあの時あった神様みたいなやつがいた。
「お久しぶりです。今日はあなたに一つ忠告をするために参りました」
「どんな忠告だ」
「月への移住計画ありますよね、その時に使うロケットにあなたは乗らないでください。それが、あなたとあなたの愛する人たちのためです」
「な、なぜだ?」
「理由はあなたもよく分かっているでしょう。あなたは半妖になりかけているんですよ」
それには気づいていた。だ抑えられるものと思っていた。
「今のあなたは穢れが多すぎます。月には上がれません」
月には一緒に行きたい。でもそういうわけにはいかないことにも気づいていた。
「かった。残りの時間を有意義に過ごすよ」
「そうですか、ではお元気で」
そういうなり消えてしまった。月への移住計画が、永琳によるとあと10年ほどだというから、時間はあまりない。依姫にも剣をしっかり教え込まないと。
そろそろ、第一章も終わりです。